平成25年3月定例会 私の一般質問
2013年03月12日
平成25年3月定例会『更なる行財政改革への取り組みについて』一般質問を行いました。(午後1時40分~2時10分)
質問全文、答弁の要旨、私の感想は以下のとおりです。
(全文と答弁の概要を記載しております。再質問は省略しました。)
『更なる行財政改革への取り組みについて』
平成25年度は、王寺町新総合計画の後期基本計画の最終年度でもあり、これまでの成果について反省も含め評価する年度であるとともに、次なる総合計画を立案する大切な年度でもあります。
また、平井新町長1年目の年であり、多くの住民の方々が期待を込めて見守られる年ともいえます。
今日、多くの行政課題があり解決すべきことが多くあるにも拘らず、王寺町の財政状況は良好であるとは言えない現状でありますが、『住民に開かれ、自立したまちづくり』を行うためには、更なる行財政改革が必要であると私は思っております。
選挙期間中、平井新町長が仰っていた『隗より始めよ』の言葉から連想することは、全ての行財政改革に当たって、まずは、リーダーである町長自らが身を切る改革を行うこと、そして、全体の奉仕者である職員も財政健全化への努力を行ってから、自立するまちづくりのために『公助』を減らし『自助』の拡大を行っていくとの決意だと私は思っております。
王寺町の経常収支比率を見ますと、
平成21年度99.0%
平成22年度91.5%
平成23年度94.4%
平成24年度も大差はないのではないかと思っております。
交付税の仕組みの問題や、自主財源が確保できない税制の問題、繰入金に頼らなければ運営できない特別会計など、多くの問題点があり健全と言われる75%には程遠い状況にあり、長引くデフレ経済状況下における税収減が最も影響していることは言うまでもありませんが、新しい政策を展開しようにも、見込める財源の確保が難しいのが現状であります。
平井新町長が選挙期間中に訴えられた『医療制度において、中学校卒業まで、子供の医療費は通院を含め無料化とすること』、『現行福祉政策の継続』を実行するためには、確実なる行財政改革が必要であり、財源確保が第一の課題であろうと思います。
そこで、お伺いいたします。
1) 『隗より始めよ』と仰っていた特別職報酬の削減は、現行の町長給与85万円、副町長給与71万円、教育長給与61万円の削減内容と「特別職の職員で常勤のものの給与及び旅費に関する条例」、「王寺町教育委員会教育長の給与等に関する条例」の改正を直ちに実施するため、本3月定例会の追加議案として改正案を上程されるのか? 伺います。
2) 行政評価システムの導入につきましては、昨年6月、私の一般質問で尋ねましたところ、総務部長の答弁として「行政評価についてはかなりの労力が必要であるので、時期については明言ができないが、逐次必要なことから取り組でいる。」と何ともすっきりしない答弁でありました。 3月末で、概ねの歳出予算内容は確定し、9月には決算が行われる訳で、各事業内容の評価と効果測定を行うということは、翌年度以降の予算への反映にも明確な答えが出せるものです。P・D・C・Aサイクルは当然行われてはいるのでしょうが、個々の担当部署で独自に行うのではなく、チェック体制全体をシステム化することで、常に進捗度管理が可能となります。 システム化を図って正確な事業評価を行うことが、無駄の排除に繋がるものであり、平井新町長は、行政評価制度についても積極的に取り組まれるものと思いますので、平成24年度決算から反映できるようなシステム構築に着手されるおつもりか伺います。
3) パブリックコメント条例の制定について・・・
パブリックコメントについては、新総合計画後期基本計画の87ページ(3)政策形成過程における住民参加の促進②に多様な参加機会の創出として、「計画段階からの住民参加機会として、審議会・策定委員会などの設置と公募の導入、パブリックコメントの実施、懇談会の開催など、多様な参加機会の創出に努めます。」と記されていますが、今までただの一度も実施された事例はありません。
例を上げますと、王寺町やわらぎの手帳優遇措置事業第4条において、西日本旅客鉄道株式会社が発行するICオペレーティングカード利用の優遇措置(通称、イコカカード)あるいは、新総合計画の後期基本計画「交流・イベント」において記されている住民相互の交流機会の創出であったベルフェスタの廃止においてもパブリックコメントは実施されておらず、住民皆さんの声が反映されていません。行政執行部の考えが、住民皆さんの考えであるはずがないとかんがえております。 パブリックコメント条例が制定され、意見が出され、それがたとえ少数意見であっても、「参加と包摂」多様な参加と異なる考えを享け入れるのが民主主義です。
議会における予算審査が全てではなく、先程の例のように、公平なる手続きが実施されなかったことは、パブリックコメント条例が制定されていなかったことにも一因があると私は思っています。
また、2月22日の総務文教常任委員会において中央公民館建替え事業基本計画内容の報告がありましたが、久度地域の重要施設でもあります当該施設の基本計画についてもパブリックコメントは実施されておりません。
12月定例会で、「住民の意向確認のためにアンケート調査は実施したのか?」との委員からの問いにたいしては「実施していない!」とのことでした。
様々な手法で住民皆さんに対して意見を求めることが、よりよき事業推進への手続きであると思います。 私は、パブリックコメント条例を制定することにより、重要施策となる事業について、確実な住民参加機会を設け、開かれた行政運営を推進することとなると考えています。 平井新町長のお考えを伺います。
4) 自治基本条例について・・・
平成24年4月現在、奈良県内では生駒市と大和郡山市が自治基本条例を策定し、全国では251の自治体がまちづくり基本条例あるいは自治基本条例を定めています。
自治の基本理念と基本原則を明らかにして、住民、事業者、議会、行政がそれぞれの責任や権利を理解することで、自立するまちづくりを推進しようとする目的で王寺町自治基本条例の制定を目指されるのだと思いますが、当該条例を策定するためにどのような手順・手法をお考えなのか平井新町長に伺います。
5) 入札制度改革について・・・
地方自治法第234条
1 売買、貸借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする。
2 前項の指名競争入札、随意契約又はせり売りは、政令で定める場合に該当するときに限り、これによることができる。
とあり、地方自治法施行令第167条に(指名競争入札)の規定が次のように記されています。
地方自治法第234条第2項の規定により指名競争入札によることができる場合は、次の各号に掲げる場合とする。
1 工事又は製造の請負、物件の売買その他の契約でその性質又は目的が一般競争入札に適しないものをするとき。
2 その性質又は目的により競争に加わるべき者の数が一般競争入札に付する必要がないと認められる程度に少数である契約をするとき。
3 一般競争入札に付することが不利と認められるとき。
の3項目で、原則として全ての工事又は製造の請負、物件の売買その他の契約は、一般競争入札によらなくてはならないのですが、今まで、王寺町では一般競争入札が一度も行われたことがありません。
経済状況の変化にも対応するため、工事発注に対する現行の審査基準を開かれたものとし、入札制度改革を行われる考えはあるのでしょうか? 町長のお考えを伺います。
6) 土地開発公社関連・・・
土地開発公社設立の意義は、高騰する事業用の土地を先行取得することにより、事業効果を高めることに狙いがありますが、土地価格の下落が長引く現代においては、土地開発公社の存在意義が薄れ、保有資産の簿価と実勢価格との逆転現象により、保有資産を処分する段階では多額の損益が生じるため、多くの自治体で土地開発公社の解散に取組まれています。
平成23年度決算の報告では、王寺町土地開発公社の保有資産の約8割が代替え用地であり、保有期間が5年を超えるものが殆どとなっています。 このまま、地価下落に歯止めがかからなければ含み損が増すばかりであります。
王寺町が実施主体となるハード事業のうち、大きな用地取得が必要な事業は畠田駅前整備関連事業ぐらいであると思っております。
民間の会社であれば、損益が増えることは経営の危機にもつながるわけで、長期間放置することは考えられません。
行財政改革の要の一つとも云える土地開発公社の存続問題と、王寺町が保有する普通財産の有効利用計画または整理について、平井新町長のお考えを伺います。
7) 次に、総合計画を議決対象にすることについてですが・・・
現行の王寺町新総合計画は、平成16年3月に策定され、現在は前期事業の達成度を検証されたうえで作られました後期基本計画の期間中にありますが、一部の項目では定められた構想や計画と異なった事業展開が所定の手続きを経ずに行われたものもあったと思います。
国では、道州制への議論が本格化しようとしており、数年後には地方政府と基礎自治体の形が変わるかもしれない時期に来ております。
王寺町の羅針盤として定められた総合計画を正しい手続きを経ずに、むやみに変更することは、住民皆さんに大きな不利益と将来負担を強いる結果ともなりかねません。
平成25年度は新たなる中期計画を定める年度でもあることから、王寺町自治基本条例にも関連いたしますが、 地方自治法第96条における議決事件にマスタープランや総合計画などの重要な計画を加えることについて、平井新町長のお考えを伺います。
8) 開かれた行政について・・・
チラシや選挙期間中に訴えられていました『住民に開かれた町政』の具現化として、王寺町自治基本条例の制定を考えられているのだと思います。
ご存知のことかもしれませんが、王寺町情報公開条例第17条では、情報公開を行うのに1件200円の手数料が必要であり、開示請求内容によっては手数料が高額になることもあります。 行政が保有する情報の中には、個人情報保護のため開示できない部分もあることは承知しており、開示請求に答えるためには相当の時間と人手が必要となることも承知しております。 しかし、住民の知る権利を守り、開かれた町政を推進するためにも、この手数料は早急に廃止すべきだと私は考えます。
これは単なる一例ですが、『住民に開かれた町政』に係る基本的な平井新町長のお考えをお聞かせください。
以上が壇上からの質問です。
答弁の概要
1)
平成8年以降改定されていないこと、職員給与との関連、近隣の状況も含めて特別職報酬審査会を開き、出来るだけ早い時期に決定して実施する。
2)
行政評価制度の重要性は認識しているので検討して実施する。
3)
パブリックコメント条例も住民参加の手法として必要と思っている。
4)
3)と関連するが、まちづくり基本条例、自治基本条例など名称は様々であるが、住民参加の規定を行うことが大切だと認識している。
5)
入札制度については透明性の確保が大切であり、総合評価方式、条件付一般競争入札、郵便入札などの導入を行う。
6)
国道168号線事業、畠田駅前事業などがあるので、当面は必要と考えているが公有地の有効利用などを研究する。
7)
総合計画にあっては、法律の改正により必ずしも必要ではなくなったが、明確な目標を持つことは必要であると考えているので研究を行う。
8)
上記全ての項目も含めて住民参加の方法について開かれた行政と思う。
特別職の報酬削減について、明確な数値目標を平井町長自らが決めず、特別職報酬審査会に、内容を委ねたことは誠に残念! 自ら決める覚悟が無いようにも取れる答弁であり、これからの王寺町政における全ての事項に対する最終決定者は町長であり、今後の行政運営に少なからず不安を感じました。
他議員の一般質問に対する答弁においての感想は、全体的に好感触でした。
広域行政など行政上の多くの問題点、今後必要な少子化対策、教育への取組み、安心安全対策、福祉医療制度の充実、社会教育施設の問題など、タウンミーティングなどで住民意見を聞き、総合的に問題点を解決する姿勢でした。
以上です。
王寺町が良い方向に発展するため、私達議会議員のそれぞれの力量が試されることとなるでしょう。