平成25年12月9日9時30分より、12月定例会の本会議が行われました。(傍聴者は3名)(25.12.9 12月定例会議案等)
私の、一般質問は3番目(午後1時からでした。)
一般質問の概要は次の通りです。(要約筆記のため異なる場合もあります。)
1問目『計画的な施設の維持管理について』
現在、王寺町では公会計制度の導入に向けて行政財産と普通財産の台帳整備、また、平成16年度に国から譲与された法定外公共物の財産評価もされていることと思います。
奈良県内で平成23年度決算について、公会計制度に基づいて財務諸表の公表が行われている市町村は、市では県下12市のうち8市、町では15町のうち4町、村では12村のうち1村、合計13自治体で、県内39市町村の2/3は、今年度以降に公表の状態で、王寺町もその中に含まれています。
県下自治体の公会計制度は、1町が総務省基準モデルで、その他12の団体は、総務省改訂モデルを採用されています。王寺町は、将来を考えて財産評価を正確に行うため、時点評価方式の総務省基準モデルで整備を行っているため時間を要しているとのことです。
私は、維持修繕費などの経常的な経費の一部を把握するためには、王寺町が抱える施設の老朽度判定を行って、更新計画策定をしなければ計画的な保守費用の判定は出来ないと思っております。
そこで、平成24年度決算書から、◎???? 行政財産の保守費用にどの程度の額が使われているのか? ◎????各施設の維持管理にどの程度の費用が支出されているのか? を予算別修繕費に着目して調べましたところ、
一般会計などの需用費の修繕費の総額では、31,538千円、下水道事業特別会計では、1、733千円、水道事業会計では、18,747千円、合計52,018千円が、施設の修繕や備品等の修理に使われていました。
修繕費以外にも、工事請負費で維持管理に係る内容が支出されていますが、集計は行っていません。
そして、土木費の道路・水路などの維持補修工事では、31,778千円が支出され、総額で約84百万円が維持修繕に対する支出となっていました。
決算書を再確認して、多くの施設や備品の維持管理に要している維持修繕費が維持的な工事費を含めても、全会計支出額の1%以下であり、意外と少ないと感じます。公会計制度導入に伴って、現在、行政財産、普通財産の財産調書を作り、それぞれの施設の状況を確認され、各施設において耐用年数を大きく過ぎている施設や付帯構造物が多くることを確認されたかと思います。
現在までに調査された中で、主な財産の総額はどの程度なのか?一般会計、下水道事業特別会計、水道事業会計別に伺います。
また、それぞれの事業実施に当たっては、過去より補助事業などの採択を受け、有利な特定財源を確保して、出来るだけ単独費の持ち出しが無いように努力されていますが、王寺町独自の高齢者福祉対策事業などや通常の維持管理には一般財源を充てざるを得ません。そこで、現在の王寺町の財政力から、基金を極力取り崩すことなく執行可能な単年度の町単独費の額について、過去のデータを参考にどの程度なのか、一般会計、下水道事業特別会計、水道事業会計別に伺います。
次に、2問目「重要施設の防災力向上について」
一昨年度の事業で小中学校の構造上の耐震対策は既に完了し、本年7月25日には、王寺小学校と王寺中学校の学校施設非構造部材の耐震対策調査業務の入札も終え、対策に向けた設計書の作成に取組まれているものと思います。
今回の定例会の議案、一般会計正予算(第3号)に於いて、王寺小学校の非構造部材耐震化工事費に、101,995千円、王寺中学校非構造部材耐震化工事に25、660千円を計上され、その他の小中学校も、順次、非構造部材の耐震対策が行われる予定です。また、上水道施設にあっては第2浄水場の耐震対策工事と配水池の緊急遮断弁設置工事も行われ、役場庁舎の耐震対策にも早晩着手される予定であり、今後も対象となる施設に対して計画的に耐震対策工事に取組まれる予定であります。
しかし、王寺町は、耐震対策工事以外でも重要施設の防災力向上を行わなくてはなりません。ご承知のように、王寺町は、昭和57年大水害以降に市街地の浸水対策に下水道事業として取り組み、雨水幹線の整備と2か所の雨水ポンプ場の整備、更に、あらゆる降雨状況にも対応できるように下水道計画を見直して、3万トンの雨水貯留池の整備と同時に総合治水対策事業により、3か所のため池について治水利用を行い、学校グランドを利用した貯留浸透事業も行いました。
昨今の異常気象によるゲリラ豪雨、9月の台風18号では昭和57年大水害時の大和川水位を上回った記録も残されています。今後も王寺町の地理的特性から耐震対策と浸水対策の両方を推進する必要があると思いますので、今後必要と思われる次の5点の対策についての方向性などについて伺います。
1. 地球温暖化対策を含めた公共施設への太陽光発電システムの採用を検討されているのか? 伺います。
2. 大規模地震などにより停電となった場合、最低限の電源を確保する必要があると思いますので、自家用発電機の設置を予定している施設はどこなのか? 伺います。
3. 第2浄水場で全町民の約10日分の生命維持のための飲料水確保は行われますが、災害の程度によっては飲料水を運搬する手段が確保できないことも考えられますので、緊急貯水槽の整備、貯水機能付き給水管の設置予定施設はあるのか? 伺います。
4. 大規模地震時の飲料水確保対策として、民間マンションの受水槽・高架タンクへの緊急遮断弁設置状況はどのようになっているのか? 把握されているのか? 今後の地域防災計画に民間の努力項目として明記されるのか? 伺います。
5. 王寺町は総合治水対策目標量をいち早く満足していますが、総合治水対策への更なる取組みについて検討されているのか? 伺います。
以上が壇上からの質問です。
【町長答弁】
(1)計画的な施設の維持管理
【各施設は単一な耐用年数ではなく、建物であれば電気設備、冷暖房に係る機械設備、給排水ガスの衛生設備など個別に所得税法、法人税法で耐用年数が定められているので単純ではない。】
平成24年度末における、一般会計の資産総額は、35,843百万円で、その内訳としては、行政財産が31,696百万円、普通財産が4,147百万円となっています。
水道会計では、固定資産台帳より3,622百万円、下水道事業は法非適用の特別会計ですが、決算統計より23,872百万円となっています。
会計の弾力性を示す経常収支比率は、92.9%で、全国平均の90.7%よりも悪い状況であります。
単年度で執行できる単独費の額は、一般会計においては、平成16年度から平成24年度までの平均値で、約297百万円/年ですから、約3億円前後であれば黒字会計となっています。
また、水道事業会計では約7千万円、下水道事業特別会計では約3百90万円が、ここ数年間の平均的な単独費の額です。
2問目の、重要施設の防災力向上についてですが、太陽光発電施設の方向性につきましては、環境省の基準から50kw以上、250㎡以上のパネル面積が補助基準であり、約25百万円の事業費。約1百万円の電力買い取り制度があり、耐用年数は15年となっています。
省エネルギー対策として、役場庁舎のLED化も計画をしています。
また、学校施設への導入は構造計算なども必要であり、今後の検討課題としていますが、久度中央公民館の建て替え計画において導入を予定しています。
自家用発電機の設置につきましては、下水道施設の久度雨水ポンプ場、本町総合ポンプ場、久度第2雨水貯留池は整備されています。
やわらぎ会館とアリーナは、必要最低限の発電設備があり、役場庁舎には防災行政無線用の設備があります。
また、可搬式の発電機16台を防災倉庫に保有しています。
上水道施設は、大半が自然流式のため自家用発電機は設置していません。
次に、緊急貯水槽などについてのご質問ですが、第2浄水場に緊急遮断弁を設けたことにより、全町民7日分以上となる5700?の備蓄が可能であり、県営水道において2箇所の応急給水栓の設置が行われています。
民間マンションに対する緊急遮断弁設置対策につきましては、83箇所の受水層の届がありますが、緊急遮断弁の設置確認は実施していません。 現在のところ、民間の対策は民間で実施していただくものと考えています。
総合治水対策の現状は、既に目標量を満足しているため、機会があるたびに上流市町村に対策への取り組みを呼びかけているが、財政上の問題もあり積極的ではありませんので、補助率の変更なども奈良県にお願いをしています。
また、直轄事業として100万トンの遊水池の整備が行われることとなっており、田原本町などでは田んぼダムの計画も行われている現状です。
【再質問】
参考に申し上げます。 h23-24で行われました、王寺中学校耐震対策工事の契約率は、73.172%でした。改修が必要な単独事業費の維持工事を併せて発注すれば、若しくは追加すれば3割引きで出来たとも考えられます。
公会計制度導入に関連して、公共施設の老朽度判定や更新計画を作成しておけば、経費の節約が出来ると思いますので検討を頂きたいと思いますので、公会計制度導入に併せて、各施設の更新計画を是非とも策定され、無駄のない施設管理を実施されることを提案申し上げ「計画的な維持管理について」の質問を終わります。
では、水道部長と建設部長に個別事業についての方向性について伺います!
まず、水道部長に1点伺います!
生命維持に要する飲料水の確保について、大規模災害時における医療用水の確保はどのように考えるのか? ⇒ 町内では、恵王病院、林産婦人科への指導、広域では県立三室病院や民間の服部記念病院、友紘会病院の現状はどうなっているのか伺います。
建設部長に2点伺います!
民間マンション対策に関連して、200戸以上が入居する町営桃山住宅の大規模災害時の対策検討として、高架水槽の耐震診断は行われるのか?また、断水対策はどうなるのか?外観から判断しても、高架水槽は震度6強には絶えないと思いますが。
また、総合治水対策として新たな事業の検討は行っているのか?伺います。
(回答)
水道部長 ; それぞれの病院に問合せを行いましたところ、自家用発電機については保有されていますが、受水槽などへの緊急遮断弁の設置は行っていないとのことでした。
建設部長 ; 町営桃山住宅は昭和57年度以降の基準で建築されていることから安全であると考えています。また、総合治水対策の新たな取り組みとして「田んぼダム」の検討を行う予定です。
【再々質問】
大和川の浸水被害が少ない上流部市町村と下流部では、総合治水対策に対して大きな温度差があり、ため池治水利用にあっては、対策率1桁台の自治体も見受けられます。王寺町の総合治水対策整備率は、
・??? 雨水貯留浸透施設目標値1,350?に対して対策量3,127?、231.6%で県下第4位
・??? ため池治水利用では目標値21,600?に対して対策量21,512?、99.6%で県下6位
・??? 総合では県下4位
しかし、これ以外に、王寺町では公共下水道事業の雨水浸水対策として2か所の貯留池整備により約30,000?の貯留が可能であり、この数値を考慮すると目標量に対して対策量は54,639?、約238%で県下断トツの一位ですが、総合治水対策ではないため、流域対策整備状況として記載はされていません。このことを、平井町長から機会があるたびに宣伝していただいていますが、浸水被害発生の少ない市町村が積極的に総合治水対策事業に着手していないのは、財政的にも厳しい状況があるからだと判断します。
総合治水対策事業の内訳は、雨水貯留浸透施設は、目標量69、000?に対して91,000?で達成率132%、ため池の治水利用は、目標量1,000,000?に対して370,000?で達成率は37%、王寺町内には、治水利用の位置づけを行っていない大きな池は、まだ多く残されていると思います。(例として、カンゴ上池、下池、氷池、菩提下池、政池、中池、岩才池)
また、池の治水利用だけでなく、大和川上流流域全体での保水能力の向上で最も重要なことは、農林部門、河川部門、建設部門の全てで流出抑制に向けた施策が大切なことだと思います。
大和川河川整備計画によりますと、国土交通省において100万?級の遊水池を大和川上流域で整備されるそうです。私は、この大規模遊水池整備により総合治水対策事業に取り組んでいる24の市町村は、『この遊水池が出来れば安心だ!』と誤解され、それぞれの目標量の達成をせずとも良いと思われることを心配します。
大和川河川事務所の記録によりますと、昭和57年の12時間降雨量は146.2mm、今回の台風18号の12時間降雨量は116.9mmです。昭和57年よりも少ない降雨量で、大和川の能力が一杯になってしまう現実をしっかりと考えなければなりません。
平井町長もご存知だと思いますが、兵庫県は昨年の平成24年4月1日より「総合治水条例」を施行しています。(一部は、平成25年4月1日施行)平成20年7月28日の利賀川水難事故で5名の方が犠牲になったことや由良川氾濫などが契機になっているものと思います。
この条例第2条に基本理念が記載されていますのでご紹介させていただきます。
(基本理念)
第2条 総合治水は、河川下水道対策、流域対策及び減災対策を組み合わせることにより、降雨による浸水の発生を抑制し、浸水による被害を軽減することを旨として、県、市町及び県民が相互に連携を図りながら協働して推進されなければならない。と謳われております。
平井町長におかれましては、大和川改修期成同盟会の会長として、また、大和川流域総合治水対策協議会加盟24市町村の最下流に位置する町長として、総合治水は奈良県民の努力により目標を達成するものとして、奈良県に対して総合治水条例の制定と更なる補助制度を強く求めて頂くよう、ご提案申し上げ私の一般質問を終わります。