集団的自衛権について

2014年04月30日

「結いの党 井出庸生参議院議員Facebook」の掲載許可を頂きました。

集団的自衛権① 砂川判決との関わりについて考える

集団的自衛権容認の是非についての議論の中で、砂川事件の最高裁判決(昭和34年12月)が出てきているが、「憲法判例百選Ⅱ 第6版 株式会社有斐閣」によると砂川事件とは、米軍立川飛行場の拡張計画に反対して場内に立ち入った運動員が旧安保条約に基づく法律に触れるとして起訴された事件であり、アメリカ軍の駐留と旧安保条約が憲法9条に適合しているかどうかが実質的に争われた裁判である。報道でも指摘されているが、この判決は集団的自衛権について直接判断を示したり、論じたりしたものではない。

最高裁判決はA4、52ページで「主文とその理由」は5ページ余り。
大部分は各裁判官の補足意見から成っているが、判決は「全員一致の意見」と明記されている。主文とその理由の構成は
①9条解釈
②司法審査権の範囲
③①、②が砂川事件に当てはまるか否か
から成っている。

最近の集団的自衛権議論では、①の9条解釈の部分がクローズアップされているが、判決のメインは②と③であり、また、55年前に出された判決(昭和34年12月)以降の、自衛権や集団的自衛権を巡る政府見解の変遷が重要であることを考えれば、砂川事件の最高裁判決は9条解釈議論の材料にはなるが、集団的自衛権の議論においては、議論を左右するような決定的な材料とまでは言えないという感想を抱いている。

砂川判決の9条解釈部分で、集団的自衛権議論にも関わりがありそうなところを以下に引くと
「そもそも憲法9条は、わが憲法の特色である平和主義を具現化した規定である。」
「9条はいわゆる戦争を放棄し、いわゆる戦力の保持を禁止しているのであるが、しかしもちろんこれにより我が国が主権国として持つ固有の自衛権はなんら否定されたものではなく、わが憲法の平和主義は決して無防備、無抵抗を定めたものではないのである。」
「憲法前文にも明らかなように、われら日本国民は、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と
偏狭を地上から永遠に除去しようとつとめている国際社会において名誉ある地位を占めることを願い、全世界の国民と共にひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認するのである。しからば、わが国は、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然のことといわなければならない。」
「すなわちわれら日本国民は、憲法9条2項により、いわゆる戦力は保持しないけれども、これによって生ずる我が国の防衛力の不足は、これを憲法前文にいわゆる平和を愛好する諸国民の公正と信義に信頼することによって補い、もってわれらの安全と生存を保持しようと決意したのである。」
「そしてそれは必ずしも、国際連合の機関である安全保障理事会等の執る軍事的安全措置等に限定されたものではなく、我が国の平和と安全を維持するための安全保障であれば、その目的を達するにふさわしい方式または手段である限り、国際情勢の実情に即応して適当と認められるものを選ぶことができるのはもとよりであって、憲法9条はわが国がその平和と安全を維持するために、他国に安全保障を求めることをなんら禁ずるものではない。」

ここまでの引用をみると、集団的自衛権を認めるための議論に大いに参考になるように思うが、この判決は米軍駐留の是非について9条を解釈したものであり、集団的自衛権を日本が行使できるかどうかの観点で9条を論じたものではないから、慎重な引用・解釈が求められる。

また、この判決では

「9条2項が保持を禁止した戦力とは、わが国がその主体となってこれに指揮権、管理権を行使し得る戦力をいうものであり、結局わが国自体の戦力を指し、外国の軍隊は、たとえそれがわが国に駐留するとしても、ここにいう戦力には該当しないと解すべきである。」とも言及している。

自衛権を肯定しておきながら一方で「自国の戦力の保持禁止」と明言していることは、現実実態の安全保障と乖離していると感じざるを得ない。
自衛権や集団的自衛権をめぐる政府見解は戦後たびたび変化してきているので、当時の状況下での言及であることも、十分考慮する必要がある。

集団的自衛権② 集団的自衛権を巡る政府解釈の変遷

砂川事件の最高裁判決よりも議論の本質になると思うのが、集団的自衛権を巡る政府解釈が、これまでたびたび変わってきたことだと思う。
今年3月14日の読売新聞8ページ「基礎からわかる集団的自衛権上」にまとまっているので引用しておきたい。(【】は読売新聞の意義付け)

・1946年6月衆議院本会議 吉田茂首相答弁【自衛権の行使を否定】
「戦争放棄に関する本案の規定は、直接において自衛権は否定はしていないが、9条2項において一切の軍備と国の交戦権も認めない結果、自衛権の発動としての戦争も、また交戦権も放棄している」

1954年12月22日衆議院予算委員会 大村清一防衛庁長官答弁【個別的自衛権を容認】【自衛権の合憲性を強調】
「憲法は戦争を放棄したが、自衛のための抗争は放棄していない。戦争と武力の威嚇、武力の行使が放棄されるのは『国際紛争を解決する手段としては』ということだ。他国から武力攻撃があった場合に、武力攻撃そのものを阻止することは、自己防衛そのものだ。」

1960年3月31日参議院予算委員会 岸信介首相答弁【集団的自衛権の保有を容認】
「集団的自衛権という内容が最も典型的なものは、他国に行ってこれを守るということだが、それに尽きるものではない。一切の集団的自衛権を憲法上持たないということは、私は言い過ぎだと考えている。」

1972年10月14日参議院決算委員会提出資料【集団的自衛権は憲法上行使できない】
「憲法は(中略)自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置を禁じているとはとうてい解されない。しかしながら(中略)、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという(中略)急迫、不正の侵害に対処する場合に限られ、他国に加えられた武力攻撃を阻止することを内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないと言わざるを得ない。」

1981年5月29日質問主意書に対する答弁書【集団的自衛権の行使は「必要最小限度」を超える】
「集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上、当然であるが、憲法9条の下において許容されている自衛権の行使は、わが国を防衛するために必要最小限度の範囲にとどまるべきもので、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されない。」

以上、砂川判決と過去の政府解釈について掲載させていただきました。

第14回水曜自由討論会

平成26年4月30日(水)午前9時~午後1時過ぎ

午前10時~11時10分 鎌倉議員参加 ; 議会改革の目指す方向性について

午前11時15分から12時30分 西本議員参加 ; 議会運営などについて

5月8日に臨時議会が開催され、議長、副議長の選挙と各委員長の選出がありますので、本来のテーマを決めて議論することが出来ませんでした。

平成26年度には介護保険制度の見直し、美濃園の改築計画、中央公民館の立て替え計画、王寺町役場庁舎の耐震対策など重要な案件が多くあり、議会として事前に資料の収集や勉強すべきことが山積していますが・・・・・

その後、来庁されていた議長と雑談・・・1時過ぎに終了しました。

何とも、もどかしい水曜自由討論会ではありますが、いずれは自由討議の大切さ、議会開催中以外にテーマを決めて様々な議論を行うことが、議会改革への1つの道だと他の議員の皆さんも感じていただけるものと思って続けていきます。

当たり前のことですが、議会議員は選挙で選ばれた住民の代表です! 日常で何を最優先事項とするのでしょうか?・・・>(答え)議員活動でしょう!と住民の皆さんはお答えになると思います。

では、議員活動とは?・・・>この答えは様々だと思います。・・・①議会に出る。②地域の声を行政執行部に届ける。③地域の課題を研究し議会で議論する。・・・などでしょうか?

・・・>王寺町住民皆さんの福祉の向上(幸せ)のため、将来(10年後、20年後、30年後・・・)のまちづくりを考え、議論し、提案すること!・・・そのためには、会期中の活動だけでは無理ですね。・・・閉会中に多くの課題に対する解決策を見つけ議論する。そして、行政職員には出来ない勉強(市井での情報収集)を日々行うことではないでしょうか?・・・(ITの発達により、情報の収集は便利になりましたが)・・・そのためには、議会が一つに固まることが大切でしょうね。

 

日本の新しいかたち研究会

2014年04月26日

平成26年4月26日(土)午後2時~横浜みなと博物館日本丸訓練センター会議室で、超党派の地方議員による「日本の新しいかたち研究会」に参加しました。(次第;第2回日本の新しいかたち研究会次第

講演では、佐々木信夫 中央大学経済学部教授より「都市国家にふさわしい大都市制度の創設」と題してご講演をいただきました。

質疑では、1)自民党案の道州制国民会議(30名の委員)に危惧するところ。(経済界代表委員が含まれていない。)2)統治機構改革に強制力が必要ではないか?3)道州制への移行のためにはもっと解りやすい議論、例えば首都移転なども議論すべきでは?・・・等の質問がありました。

 

終了後の懇親会は横浜中華街で行われ、江田憲司結いの党代表、浅田 均日本維新の会政調会長から、これからの党の連携がどうなるのか?今後の日本の政治はどうあるべきか?などのお話を頂きました。

 

結いの党地方議員研修会

2014年04月25日

平成26年4月25日(金)午後1時~5時 衆議院第1議員会館の国際会議場で「第1回結いの党地方議員研修会」が開催されました。(26.4.25 結いの党地方議員研修会次第

小野次郎幹事長の講演、柿沢未途政調会長の講演、江田憲司代表の講演に加えて、野村恭彦株式会社フューチャーセッションズ代表取締役から「政治家を使って社会を変える場をつくる」と題したご講演をいただき、特定した未来時点から現在時点までを逆に見ることで、どのように時間軸として社会が変わってきたかを想像する。これにより、様々な解決策が浮かんでくる思考形態である。一例として、「フューチャーセッション」の場に、ファシリテーターが「企業」「コミュニティー」「行政」の三者からの意見を上手く結合させることで答えを見つけようとする仕組みの紹介を頂きました。一見、企業とコミュニティーの結びつきは少ないように思われがちですが、企業活動と地域住民との結びつきや社会貢献が浮かび上がり、そこに行政が加わることで政策課題が明確になってくる!・・・・・例えば、2020年の東京オリンピック開催が大成功した!・・・>現在までを議論する!などです。

意見交換会では、関西における有権者の意識が、野党に対する期待度が低下していることを訴え、早い時期に政権与党との違いを明確にする必要があることを述べました。

夕方からは、赤坂の居酒屋で江田代表、小野幹事長、柿沢政調会長、柴田組織委員長らの国会議員を交えて懇親会が行われました。

・・・何と、本音で語り合い三次会まで参加してしまいました。(ホテルに着いたのは0時30分)

王寺町都市計画審議会

2014年04月23日

平成26年4月23日(水)午前10時から、王寺町都市計画審議会が開催され、議会選出の委員として参加しました。

案件

1.大和都市計画地区計画の変更(町決定分)について

2.大和都市計画高度地区の変更(町決定分)について

3.その他

王寺スカイヒルズ内の地域サービス地区の内容を、周辺の第1種低層住居専用地域と同じ一戸建て住宅も建築が可能なように計画を変更するもので、現下の経済状況や周辺との調和などから承認されました。