大和川一斉清掃
2018年03月04日
平成30年3月4日午前9時~ 大和川一斉清掃活動に参加しました。 毎年、流域の全市町村と住民の皆様や企業の皆様が協力して美化活動に取り組んでいただいています。
モニタリングの結果は、少し予想外かも?
2018年03月04日
平成30年3月4日午前9時~ 大和川一斉清掃活動に参加しました。 毎年、流域の全市町村と住民の皆様や企業の皆様が協力して美化活動に取り組んでいただいています。
モニタリングの結果は、少し予想外かも?
2018年03月03日
平成30年3月3日(土)橿原運動公園で第13回市町村対抗子ども駅伝大会が開催され応援に行きました。
馬見丘陵公園は、土日祝日には県内外から季節の花を楽しみに散策される方が増え、事故を防ぐために会場を移しての大会となったのだと思います。
北葛城郡河合町が総合優勝、王寺町が町の部準優勝と素晴らしい結果でした。
(駅伝全記録、チーム記録、区間賞、タイムトライアル記録)
2018年03月01日
平成30年3月1日午後3時50分~代表質問をいたしました。
質問と答弁の概要は次のとおりです。(質問通告に基づいて答弁を記入しましたので、順序が異なります。)
平成30年2月議会 清水議員(3月1日) 代表質問(一括)
議長のお許しを頂きましたので、日本維新の会を代表して質問をさせて頂きます。
年明けに、友人から『概要は知っていると思うけど「17条の憲法」を再度、読んでみたら?』・・・・と、「永崎(ながさき)淡泉(たんせん)」先生の著書「日本人なら一度は読んでおきたい17条憲法」を頂戴しました。
皆さんもよくご存知の「17条の憲法」のフレーズは「1に曰く【和を以て貴しとなす・・・】から始まる第1条ですが、この本を読んで、9に曰く【信是義本(信これ義のもとなり)・・・】から始まる内容が示すこの条を、今年は大切にしようと思いました。
紹介をさせていただきます。
信(まこと)是(これ)義本(もと)なり事毎(ことごと)信(まこと)有れ。其れ善悪成敗は信(まこと)に在り。群臣共にあらば、何事か成らざらん。信(まこと)なくば、万事悉(ことごと)く敗れん】 とあります。
憲法改正の議論が行われようとする今、改めて古代日本人の考え方を振返ることも重要かと思います。
では、質問に入らせていただきます。
1問目は、「内陸型大地震への対策について 」です。
2年前の春、熊本県内で震度7を観測する地震が4月14日21時26分および4月16日1時25分に発生したほか、最大震度6強の地震が2回、6弱の地震が3回発生し、益城町などに大きな被害を及ぼしたことは私達の記憶に鮮明に残っています。
同年11月には、建設委員会で現地視察もさせて頂き、直下型地震の恐ろしさを改めて肌で感じてまいりました。
2011年3月11日の東北大震災の経験から、2013年12月には「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」(所謂、消防団充実強化法)の成立を受けて、県内でも消防団装備の改善、団員確保等を進められるとともに、地域防災力の充実強化を図られています。
そして、翌2014年4月1日には、「奈良県地域防災活動推進条例」が施行され、奈良県地域防災計画等に基づき、県民が安全に安心して暮らせる災害に強い地域社会の実現のため、事業者や県民の責務が定められました。
最新の消防白書を見てみますと、平成29年4月1日現在の奈良県内自主防災組織率は79.5%であり全国36位の状況であります。(因みに1位の兵庫県は97.3%)
私自身、地元の自主防災会に加入して、自助・共助の取組の重要性をメンバーと共に、年数回の防災ニュースの発行、自治会員を対象とした地域の避難訓練や防災勉強会の開催、幼稚園や小学校での啓発活動に取り組んでいます。
ところが、自主防災会主催の防災勉強会を昨年の5月末に実施し、参加者のアンケート調査を行って分かったことですが、
・家具の転倒防止対策の実施率は約50%
・ガラスの飛散対策の実施率は約10%程度
・消火器や家庭用火災報知機の設置率は約45%程度の結果で、まだまだ、家族や自分の命を守る取り組みの啓発が必要であると再認識した次第です。
自主防災会の組織率を引き上げて知識の積み重ねを行うと同時に「奈良県にも大地震は必ず襲ってくる!」という県民の意識改革を図る必要があると改めて思います。
熊本県も過去に大きな地震が発生したことが無く、「まさか!」という思いであったと同県の方から伺いました。
そこで、1点目といたしまして
奈良県地域防災計画の地震編には、奈良県内で発生確率の高い奈良盆地東縁断層帯や中央構造線断層帯(香芝~五條市)などの存在が明記されています。
県内の被害を最小限に留めるための今後の調査や対策などについて知事に伺います。
次に、業務継続計画(BCP)についてですが、昨年12月1日の総務省発表資料によりますと、奈良県下市町村の実施状況は、県下39市町村のうち24団体が策定済み(約62%)ではありますが、近畿圏では最下位で全国の策定状況の平均値約80%から大きく離れています。
安全・安心な県土とするため、早急に100%の策定率とする必要があると思います。
今後の業務継続計画推進対策について知事に伺います。
また、大規模災害時において、学校施設が長期間にわたって避難所として利用されることから、正常な教育環境の確保を行うことが非常に困難であることは、東日本大震災、熊本大震災でも明らかになっています。
県下には、国立・公立・私立の幼稚園と幼保連携型認定こども園を合わせて219園、国立・公立・私立の小学校が209校、国立・公立・私立の中学校が117校、県立・市立・私立の高等学校(全日制・定時制・通信制の全て)が59校、国立・私立の中等教育学校が2校、特別支援学校が10校あることはご存知の通り。
園児・児童・生徒・学生の総数は約17万人、教職員数は約1万4千人であります。
各現場では、定期的な避難訓練などを実施されていることと思いますが、県下、全ての学校現場において、業務継続計画(BCP)の策定や連携策は既に作成されているのか、教育長に伺います。
<知事答弁概要>
最初のご質問は内陸型大地震への対策についてのご質問です。災害は場所を選ばない訳ですが、地震は特にそういうことだと思います。どのように対処すればいいかということです。調査を深めるということ、対象を特定するということ、それと心構えをすること、いろんなやり方があると思いますが、その中で2つともおっしゃった訳です。まず、調査や対策ということですが、調査については、どのあたりで地震が起こるのかという調査でございます。
本県地域防災計画の地震編においては、県内及び周辺の57断層を記載しています。これは、東京大学地震研究所などの専門家が断層の確実度や活動度の評価を行った資料を基にしたものです。また、活断層の現況については、国土地理院において、空中写真から変形の傷跡を確認する「空中写真判読調査」を主として、溝を掘って過去の地層活動を調べる「トレンチ調査」や電波などで地下の状態を探る「物理探査調査」等も加えながら活断層を確認し、活断層図として作成しているところです。
しかし、調査で確認できない未知の活断層が埋もれている可能性もあります。調査による活断層の全容把握は難しいといわれております。地震が起こるよと言われた以外の場所では起こらないと言い切れる人はいないという状況であろうかと思います。そのようなことを前提にしながら、本県では地震被害想定調査検討委員会を立ち上げまして、57断層のうち大きな被害をもたらす奈良盆地東縁断層帯など県内及び周辺の8つの断層帯について、その位置や震度予想、被害規模等に関する調査を実施し、平成16年に報告書として取りまとめ、県のホームページやパンフレットなどで広く周知を図り、県民への注意喚起を行っています。
なお、地震活動記録をまとめている文部科学省の地震調査研究推進本部でも、8つの断層帯のうち4つの断層帯に関し、位置やマグニチュード、発生確率等が毎年公表されていることから、県でも注視しているところです。
しかしながら、昨今の地震の発生状況を見ましても、熊本地震のことについてもお触れになりましたが、大きな被害をもたらす地震は予想外のところで起こる可能性があるわけです。このため常日頃より、自分の命は自分で守る、いわゆる「自助」が重要です。事前の備えとして、「家具の固定」や発生時に落ち着いた行動ができるよう「シェイクアウト訓練」への参加促進などの取組を進め、地震被害の軽減につなげてまいりたいと考えています。
訓練をリアルにしますと、地震災害の時に予想外の場所、あるいは形態であっても、心理的におたつかない、落ち着いて対処できるという事例が報告されています。予想外のところでも起こり得ますが、あまり心配しすぎても日常生活に差し障るわけです。適正な心配の持ち方、心配の仕方というのは難しい課題ですが、そのような言葉遣いをしながら備えをしていくように、自助を基本とした備えをしていただくように心がけていきたいと思います。
<清水再質問>
一昨年9月の県民だより奈良に、熊本大地震が起きた時の特集号として県から広報されています。この中に、熊本地震と奈良県の被害想定の2つを比べていますが、南海トラフ巨大地震と熊本地震、そして一番大きく被害が起きるであろうと明記されているのが奈良盆地東縁断層帯地震です。直下型で、最大震度が7、マグニチュード7.5、死者が5153人、全壊家屋が11万9535棟という大きな被害が想定されています。昨年の台風21号の被害総額がまとめられたものが、約130億円でした。
これだけの大きな被害が生じる中で、先ほど知事が紹介されました調査や今後の対策という部分で、徳島県が南海トラフ巨大地震にかかる震災に強い社会作り条例というのを作られています。この条例では55条に特定活断層調査区域の指定、56条に特定活断層における調査区域おける土地利用の適正化が明記されています。奈良県も同じ直下型が起きる可能性というのは、先ほど知事がご答弁いただきましたとおり、ここだけではないというのは承知しています。
しかしながら、なんらかの備えを集中して行わないと、先ほども申しました自主防災会の中で調査した中でも、住民の意識が低いということですので、この条例に習った条例の整備ということについて知事はどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
<知事答弁概要>
直下型の大地震の被害は、どの県でもどこで起こっても甚大なものであることが予想されます。人家がある下で起こる可能性も高いわけです。被害想定額は膨大なもので、徳島だけでなく、高知やその他、膨大なものが予想されています。どこで被害が発生するかとかはなかなか特定できないのが通常です。ここで起こりそうだといったところの受け方の意識ですが、そこで起こるならうちで起こらないなと思ってもらったら困るということが大前提だと思います。だから地域の絞り込みというのはなかなか各地でも難しいというふうに考えています。
例えば人口が20万人のなかでは5000人は誰になるかということには関心がありますが、まさか俺ではないだろうなと思いながら日々過ごすのが実情です。その規模の大地震がこの地域のどこかで起これば5000人は危ないかもしれない、家屋の状況、いろんなことから判断して予想されている訳です。その予想を県民の方、地域の住民の方にどのような形で提供すればいいのかというのが、議員のお述べになったことの核心であろうと思います。この地域で起こるよと絞り込みをすれば分かりやすいじゃないかというご指摘でしたが、逆に俺の所は起きないんだなという安心感が生じると困るという面があります。またどこかで生じないという保証がある調査はないということです。そのような調査の確実性、正確性という点、地域の特定という点に難点があるのをどうクリアして調査を進めるか、住民の方にどう伝えるかというのは課題と思います。もう一つはそのような規模のものが起こると、ここで起こるとこのあたりで住んでいるから、うちも被害を受けることがありうるなと思ってもらうことが考えられます。
そうしますと、そのようなことの備えをどのようにするか。一つ目は、いろんなところの初動措置はこうだ、その訓練をリアルにされた地域とそうでない地域とでは被害の量が全く違うと想定が出ています。二つ目は、訓練の備えをリアルにしようということになり、防災訓練、奈良県でもやっとリアルな救助訓練にとりかかったところです。三つ目は、そのようなリアルな訓練を毎年すりこまないと忘れた頃にやってくるのが災害ですので、毎年意識をリニュースするという課題もあります。そのような課題も議員のご提言について考えさせられた点でございます。
最初の徳島の例というのは、一つのパターンと思いますが、県民の方との会話ということをよく考えていかないといけないと思います。この点についても、議論の機会を得てどのようにお伝えしたらよいか、奈良県は災害の少ないと思い込んでいる面もありますので、災害があると大変だよということは確かですので、そのような点についても考えを深めることができたらと思っています。
<清水再質問>
今知事が申されましたとおり、体験しないと体が動かない。人間には災害が起きたときに正常性バイアスが働くと言われています。私も経験をしましたけれど、JR王寺駅で、県庁に向かうときに、携帯電話で緊急情報が入りました。ところが自分も動けないし、JRの職員自身も広報すらしてくれない。周りの人間も全く何も関知しないという状況もありました。やはり危険感知をどうやっていくかというのは本当に大きな課題だと思います。是非とも今後の中でも推進していただきたいと思うわけです。
そんな中で、先ほど申し上げましたオープンデータにも関連しますが、防災科学技術研究所が統合化地下構造データベース「ジオ・ステーション」を作られています。それと、関西圏地盤情報協議会、これに大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県が既に取り組んで、地盤情報をオープンデータ化して民間の方にも使っていただく、そういう取組を始められています。なかなかこれをすぐにシステムがあるからやりなさいというのは非常に難しいのかなと思いますが、是非ともこのオープンデータに対する推進と、先ほど言いました奈良県が抱えている地盤情報、担当の方にお伺いしましたが、確かに電子納品が義務化された平成16年度以降については電子化されたものを県でも保管されています。保管されたものを県庁の内部で何らかがあったときには参考資料として使っているのが現状であって、多く広く全ての方に見ていただくという体制にはなっていない現状です。
先ほど知事がおっしゃいましたように、広報をするということは広く多くの方がどんな形でもアクセスができるということが非常に大事だと思います。是非ともこの件については研究を進めていただきたいと思います。特に総務省が平成25年6月に、「地盤情報の公開・二次利用促進のためのガイド」を出しており、この基準からいきますと、すぐにでも私はできるような気がします。ましてやそのプラットホームも2つあるわけですから、そのプラットホームを使えばそんなに費用もかかってこないと思います。
是非とも研究をお願いしたいと申し上げておきます。
<知事答弁概要>
地盤情報のオープンデータ化というのは、そのような電子化されたものがあるのは知りませんでした。そのような電子化された情報なら、普通なら直ちにオープン化できそうな気がいたしますので、その方向に向けて検討したいと思います。
<清水質問>
次に、業務継続計画(BCP)についてですが、昨年12月1日の総務省発表資料によりますと、奈良県下市町村の実施状況は、県下39市町村のうち24団体が策定済み(約62%)ではありますが、近畿圏では最下位で全国の策定状況の平均値約80%から大きく離れています。
安全・安心な県土とするため、早急に100%の策定率とする必要があると思います。
今後の業務継続計画推進対策について知事に伺います。
<知事答弁概要>
内陸型地震への対策についての2問目は、業務継続計画、BCP、Business Continuity Planといわれるものの作成推進状況でございます。これは、とりわけ住民に密接な業務を行っております市町村が、大地震の際でも業務が続けられるための備えをしようという体系でございます。
大規模災害が発生した場合、市町村は災害対応の主体として避難という大きな役割を担われます。被災時であっても、継続して行わなければならないその他の通常業務も処理されます。
このため、人、物、情報等の資源が制約を災害によって受けた場合でも、それらの業務を的確に行える体制を備えておくという趣旨だと理解をしております。
そのようなことでございますので、県といたしましても、市町村において業務継続計画を策定することが重要であろうと思います。
平成28年度に内閣府や消防庁の職員を招いて計画策定のための研修会を実施するなど、市町村に対しての策定促進、またその支援を行ってきておりましたが、議員お述べのとおり県内市町村の策定状況は、全国に比べまだまだ低い状況にあるのは、議員お述べのような事実でございます。
このため、本年2月にも、未策定の市町村に対しまして、国が実施する研修会への参加を呼びかけ、早期策定を促しております。
被災時におきましても、市町村が行うべき業務を、滞りなく執行することが、住民サービスの維持につながり、ひいては住民に安心感を与え、またとりわけ被災時における市町村の役割への信頼につながるものと考えております。
県といたしましては、来年度も計画策定に向けた研修会を開催するなど、すべての市町村が早期に完了できるよう、引き続き支援してまいりたいと考えておりますが、何かいい知恵がありましたらですね、市町村の策定を促すことも、また知恵を、どういうやりかたで促せるかというタイプの知恵も絞りたいと思います。
<清水;教育長へ質問>
また、大規模災害時において、学校施設が長期間にわたって避難所として利用されることから、正常な教育環境の確保を行うことが非常に困難であることは、東日本大震災、熊本大震災でも明らかになっています。
県下には、国立・公立・私立の幼稚園と幼保連携型認定こども園を合わせて219園、国立・公立・私立の小学校が209校、国立・公立・私立の中学校が117校、県立・市立・私立の高等学校(全日制・定時制・通信制の全て)が59校、国立・私立の中等教育学校が2校、特別支援学校が10校あることはご存知の通り。
園児・児童・生徒・学生の総数は約17万人、教職員数は約1万4千人であります。
各現場では、定期的な避難訓練などを実施されていることと思いますが、県下、全ての学校現場において、業務継続計画(BCP)の策定や連携策は既に作成されているのか、教育長に伺います。
<教育長答弁概要>
議員お述べの「業務継続計画(BCP)」は、地方公共団体に対して作成が求められているもので、大規模災害時には、本県が平成28年3月に策定した「奈良県業務継続計画(震災編)」に沿って、県教育委員会が、被災状況の把握、応急活動、教育の再開など非常時の業務を優先し、実施していくことになります。
「BCP」は損害を最小限に抑えながら事業を継続するため限られた人員や施設で目標時間内に業務を再開するための行動計画であり、県教育委員会の行動計画ととらえているため、県立学校にはその作成を求めておりません。現在、各学校においては、様々な危機事象を想定した「危機管理マニュアル」を備え、災害時の対応を行っているところです。
平成23年の紀伊半島大水害では、道路が寸断され、十津川高校が孤立状態となりました。緊急搬送し自宅に帰った寮の生徒が、道路が復旧するまで学校に戻れないため、教育活動の再開が課題となりました。県教育委員会では、教員を2班に分け、通信制と連携し教育研究所でも教育活動を再開しましたが、手探りの中での対応となりました。
学校が避難所機能を継続する中でも早期に教育活動を再開するにあたっての行動計画を予め決めておくことは極めて大切であると認識しており、各県立学校の「危機管理マニュアル」が、大規模災害時における教育再開に向けた対応を盛り込んだ内容となるよう、その充実を図ってまいりたいと考えております。
2問目は「公務員の副業について」です。
平成29年3月に経済産業省が「兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する調査事業研究会提言」としてまとめた中で、『企業や個人を中心に検討してきたが、まずは公務員が率先して兼業・副業を解禁するべき!』という意見に言及しています。
これを受けてでしょうか、昨年4月に神戸市が同市で働く職員に対し
「副業を認めて推進する」ことを発表し、副業推進のための許可基準を独自に設定、その内容は、NPO団体など公共性の高い業務に限定されるなどいくつかの条件はあるものの、昨今、容認が増えている企業での副業における条件と同程度と見られ、神戸市の副業推進に対する積極的な姿勢が伺えます。
また、7月には生駒市が、厳しい自治体経営が予測される少子高齢化時代にあって、持続可能なまちづくりを進めていくために職員の地域活動への積極的参加を促進し、公共性のある組織で副業に就きやすくするため、職員が職務外に報酬を得て地域活動に従事する際の基準を定めました。
まだまだ事例は少ないですが、公務員の副業を一部解禁することで、公務で得た知識やスキルを地域社会に還元することや、外部との関わりの中で得た知見を公務に還元することの相乗効果が得られると思われます。
そこで、公務員の副業解禁について、知事のご所見を伺います。
<知事答弁概要>
地方公務員の副業については、地方公務員法第38条第1項の規定により、任命権者の許可を受けなければ、営利企業その他の団体の役員等の地位を兼ねることや、自ら営利企業を営むこと、又、報酬を得ていかなる事業もしくは事務に従事してはならないとされています。
これは、職員の職務専念義務の履行、職務の公正な執行及び公務の信用を確保する趣旨から設けられたと言われておりますが、とりわけ、公務と利益相反の職に就かないように、公務の信頼性を覆さないという趣旨が強いものと思っています。
任命権者の許可の基準については、「職務の遂行に支障を来さず、且つ、職員の占める職と密接な関係がないと認められる場合」など人事委員会規則で定められています。これまでに許可した具体例としては、相続した不動産の賃貸や選挙の立会人、消防団員などがあります。
議員お述べのとおり、神戸市や生駒市において、副業を積極的に促進しているのは承知しておりますが、副業を促進することは、県職員としての勤務時間以外にも就労を勧めることになり、本人の健康や公務に支障を及ぼす恐れもございますし、最近では、時間外勤務の抑制という趣旨も強くでております。法令の趣旨を踏まえ公務に支障がないように適切に運用される必要があろうかと思います。
また一方、職員が退職後に公務で得た知識やスキルを地域社会に還元することについては、地元で活躍していただくことで、本人の生きがいともなり、大いに勧めてまいりたいと思います。県庁は60歳定年でございますが、最近では60歳を過ぎても、まだまだ元気な方がおられて、本当にもったいないという思いでございます。
来年度からは新しく、自主防災組織のない地域等を支援するために、県職員OBを地域防災支援担当者として委嘱し、活躍してもらう仕組みを作ろうかと思っています。これは、先ほどの市町村の自主防災組織の形成にも繋がればと思っております。
一方、現役職員の副業については、もう少し考える点があろうかと思います。憲法に、公務員性については記述がありますが、地方公務員性についての記述はございません。そのため、地方自治法に委ねられている訳でございますが、現実に有給休暇を取って家業を手伝っておられたケース、また、家業の奥様がにわかに病気になられて本人が病気休暇の届け出を出して家業を手伝うケースもございました。そのような、副業と言えるのか、手伝いと言えるのか、農業の場合は同じようなことで、農繁期にはそのようなことがありましたので、副業と家業の手伝いとの線引きも現実的には必要かと思います。
地方公務員の副業のあり方につきましては、もう少し考えを深めさせていただけたらと思う次第でございます。
<清水再質問>
公務員の副業の件ですが、ちょっと残念なのは現状法律で手かせ足かせになっているので、なかなかできないという人事委員会さんの判断もある訳ですが、例えば、これは例えばですが、奈良県の産業の中で一番困っているのは林業でもある。
そんな中で、林業に対して、週末に携わっていただけるような県の職員がいたり、例えば市町村の職員がいたりということがあって、次の世代に繋ぐステップが必要だと思います。ですので、この点について、もう少し研究余地があると思いますので、一度、どういう産業が向いているのか、というのを今すぐには難しいかも知れませんが、ひょっとすると林業については、そういう可能性があるという風に思いますので、ご助言があればいただきたいと思います。
<知事再答弁概要>
副業のあり方ですが、地方公務員性というのを副業の面でどのように扱うかというのは、まだはっきり事例がないし、地方公務員法でも確立されていないような気がいたします。それぞれ管理者の判断に任されている、一般的な規範があって、任されているというような状況でございます。
今、労働力不足、とりわけ地方での労働力不足がある中で、働き方の多様化、マルチ化というのが大きな課題であろうかと思います。その中で、公務員というのは、非常によく働いていただいているんですが、どのように、先ほど申し上げましたが、退職後も地域で貢献してもらう、これは自治会の役目を果たされたりしている方もおられますが、現役も含めて、地元との密接性を活かした、あるいは県職員としてのノウハウ、知見を活かした働き方があろうかと思います。そのような中で、どのような職業が向いているのかということは、もう少し考えなきゃいけないと思います。
教示的に考えているのではなく、例えば、副業として、我々公務員が議員になろうかと、そちらにも座れるようになったら、これは副業として許可できるのか、職員が辞めて議員になる人はおられますが、現役でなる人はあまりおられない。これは三権分立の観点から利益相反になるという規制があろうかと、先ほど申し上げた利益相反、例えば、医療の関係の仕事をした人が病院で勤めるというのはちょっと微妙で分からない面があろうかと思います。そのような密接なところは利益相反になって公務員性を阻害するかもしれないというようなことが、概念的な、今申された林業では林務の人以外、総務部の人は林業で働いて良いのか、そういう器用な事ができるのか。
しかし、林務に行ってた経験を活かして林業をするよというのは公務員性に反しないのか、ちょっと課題を現実に克服しないと、教示的じゃなしに今の時代の知恵を絞らないといけないのかな。もう一つは家業が農業だと、農業は農繁期は「さんちゃん農業」で嫁さんと両親がやっていると、俺も手伝いたい、家業は副業にならないような気もするんですけども、その農産物を販売に行ったらお前何してるんだと言われるかもしれない。というような思いつきの事例ですけども、いろんなことが発生いたします。ただ、議員が申されましたように、地方公務員の副業という視点は今まで私ども、職員と議論したことが無い分野でございますので、これをきっかけに地方公務員性と副業のあり方というのを促進する観点ではなしに、もう少しニュートラルに議論を深めさせていただけたらと思う次第です。
議員からのこういう事例だとどうなのかというような差し込み、知恵が拝借できたらと思う次第です。
<清水>
是非とも今後の大きな課題だと思いますので、研究を進めていっていただけたらと思います。
次に、人事委員会に伺います。
現状、地方公務員法第38条で「職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社、その他の団体の役員、その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。」と規定されています。
そして、服務規定に関しては、
(1) 信用失墜行為の禁止(地方公務員法第33条)
(2) 守秘義務(地方公務員法第34条)
(3) 職務専念の義務(地方公務員法第35条)
が定められています。
特例的に認められている副業の内容は、人事院規則で一定基準内の不動産又は駐車場の賃貸経営や兼業の農業などの例外規定であると思います。
地方公務員法第8条第1項第2号の人事委員会の権限には、『職員に関する制度について絶えず研究を行い云々とあります。』
今後の社会情勢を踏まえて、地方公務員の副業の研究内容の現状について、人事委員会のご所見を伺います。
<人事委員会委員長答弁概要>
国においては、一億総活躍社会を目指して、「働き方改革実行計画」が策定され、「柔軟な働き方がしやすい環境整備」などが盛り込まれました。それを受けて、厚生労働省で、副業・兼業の推進に向け、民間企業を対象に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が策定されました。
一方、地方公務員については、議員お述べのとおり、地方公務員法で、任命権者の許可を受けなければ、営利企業を営むことや営利企業その他の団体の役員等の地位を兼ねること、又、報酬を得ていかなる事業もしくは事務に従事してはならないとされています。これは、職務専念義務の確保、職務の公正の確保、職の信用を保持する趣旨から定められているものです。
既に、地域活動の活性化や地域の課題解決を目的に報酬を伴う地域貢献活動を認めている地方公共団体があることは承知しています。ただ、法令の趣旨を踏まえ公務に支障がないように適切に運用される必要があることから、社会一般の情勢や国又は他の地方公共団体の状況等を引き続き注視してまいります。
3問目は、「奈良県のバリアフリー基本構想策定状況について」です。
奈良県のバリアフリー担当部署では、年度毎に意見交換会やセミナーを開催して、基本構想策定の推進に取り組まれていますが、奈良県下には、鉄道駅を有する市町村は25市町村であるのに対し、その内、基本構想策定済み市町村は5市1町にとどまっている状況で、バリアフリー基本構想作成の予定がない市町村も相当数残っています。
鉄道駅を有する未策定の市町村は、既に駅周辺については何らかの事業で整備済みであるとの認識かもしれません。
今般、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機に、全ての国民が共生する社会の実現を目指し、全国において更にバリアフリー化を推進するとともに、「一億総活躍社会」の実現に向けた取組を進めることが必要であるとして、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案」が本年2月上旬に閣議決定されました。
これを受けて、奈良県を訪れる全ての人に優しいおもてなしが出来るよう、全県下で基本構想策定と特定事業の推進を図る必要があると私は考えます。
知事のご所見を伺います。
<知事答弁概要>
奈良県のバリアフリー基本構想策定についてのご指摘と質問がございました。県下の構想の策定状況は低調であるというご指摘でもございます。
バリアフリー基本構想は、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」によりまして、駅を中心とした地区等で、市町村が作成することと規定されております。その中で移動等円滑化のために実施すべき道路や公共交通、建築物等に関する事業を特定事業として定め、バリアフリー整備を促進することとされております。
現在、駅があります25市町村のうち、橿原、葛城、大和郡山、香芝、奈良、河合の6市町では、基本構想の作成実績がございます。残る19市町村は未作成でございます。また駅のない14町村でも作成されておりません。
県の取組として、基本構想作成を促進するため、市町村に対しまして、毎年、セミナー開催等による支援を行い、その結果、桜井市、斑鳩町、上牧町で今年度内に基本構想が作成されると聞いております。
また、今年2月9日に、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定され、基本構想作成の前段階として、特定事業等を盛り込まずに市町村が将来像を示す「マスタープラン制度」が創設されております。この新制度の活用に向けても、市町村に説明会等を行う予定でございます。
なお、県では、基本構想に定められた特定事業のうち県管理の道路に関する事業につきましては、平成23年に策定致しました「奈良県安心歩行空間整備方針」において、重点的に歩行空間整備を進める路線として位置付け、事業の促進を図っております。
昨年開催致しました、国民文化祭と障害者芸術文化祭におきまして、障害者の方にバリアフリーの奈良県で文化活動に参画してもらうということを一つの目標に挙げました。その成果を今年、来年度からも計上していきたいと思っております。
奈良県大芸術祭と奈良県障害者大芸術祭を一体開催し、奈良県障害者大芸術祭への参加を促しつつ、このようなバリアフリーへの意識を市町村はじめ、関係者の皆様に育てて頂こうという思いも込められた活動でございます。そのようないろんな活動でバリアフリー化が進めば有り難いなと思っているところでございます。
<清水再質問>
これは(パネル&配布資料)、奈良県の西和医療センターのHPに、徒歩で来られる方へという標題がありまして、JR王寺駅北口より徒歩約15分、近鉄王寺駅、近鉄新王寺駅より徒歩約15分と記載されています。
ここから先ほど申しましたバリアフリー法がございますので、特定事業として、ここが指定されていない理由も含めて現地の調査をさせていただきました。
残念ながら、順番に見て頂いたら分かるのですが、王寺駅周辺については、皆さんご承知のとおり、再開発の事業、あるいは土地区画整理事業があって、駅周辺については事業完了というような認識が地元でもあるのかも知れません。
写真の1番を見て欲しいのですが、王寺停車場線の南側には点字ブロックがずっとあります。ところが、王寺停車場線の北側は、点字ブロックの縦方向ラインがなく、車道との交差点もあるところとないところが散見されます。2番、3番、4番を見て頂いたら分かります。
そこを上ると国道25号なのですが、ここの国道25号には点字ブロックがございませんでした。なおかつ、歩行者用の音響信号装置、これも付いておりません。
6番は、そこから西和医療センターに向くわけですが、大きな歩道の幅から非常に狭い歩道の幅になって、障害物が結構あります。
7番は、河川堤防の左岸側になるのですが、取り付けとして約30センチの段差がございます。渡った右岸側も擦り付け段差として約30センチの段差がございます。
9番目、横断歩道が書かれていますけど、半分見えない状態、なおかつ、ここには点字ブロックがございません。
10番、11番がちょうど西和医療センターの入り口付近、12番が入り口で広くなっているところ、13番西和医療センターの入り口ですが、手すりがありますが、手すりには残念ながら点字の標示がありません。
そして最後、15番、西和医療センターからの出入口、ここは車の駐車場にもつながっていますので、本来であればここで停止用の視覚障害者用のブロックが必要なのに付いていない。こういう状況でございます。
したがって、このバリアフリー新法になってからも、なかなか特定事業として進んでいない。なおかつ、ここが王寺町、奈良県、奈良国道、奈良県、三郷町と、行政界にまたがるところですので、こういう所の空白が生じていると、私は思います。担当者の方は非常に苦労されていると思いますが、なんとか進める方法として、知事、ぜひともサミットでも何度か言っていただいているとは思いますけども、もう少し突っ込んだご議論をしていただけたらというふうに思いますので、ご所見いただけたらと思います。
<知事答弁概要>
清水議員のご意図、方向性はよくわかります。王寺町の王寺駅を例にとってご紹介された訳でございますが、王寺の自由通路が植田町長の時代にできまして、あれは立派な横断歩道、自由通路だと思っております。
バリアフリーを、総じて言いますと、歩道環境の整備ということになると思います。道路にしろ、鉄道駅周辺にしろ、鉄道駅内にしろ、歩行環境の整備となると、道路、歩道の整備が奈良県はとても遅れております。本当に、歩道整備率がたいへん低いという事が数字で表れております。
バリアフリーのもう一つの難点は、乗降が多い鉄道駅で、段差がある中でつくらなければいけないというのも、奈良県の難点でございます。それは鉄道事業者が非協力的だからという風に私は断言しております。市町村がなかなか進まないのも、鉄道事業者との調整にうんざりされている実情があります。県もうんざりした事もございますが、そのような中で格闘されていると私は感じております。
さて、どのように進めるかという事ですが、今のバリアフリー化だけではなしに、歩行環境の整備という観点で言えば、道路であれば無電柱化とか景観とか案内板の整備というようなことも合わせて、観光振興のためにもしたいと思うところがございます。
王寺駅につきまして、議員のアイデアのように、県・市町村サミットで提言するというのも一つだと思います。
私の今の議論のアイデアで、この地域は、王寺町と奈良県のまちづくりの包括協定の対象地域になっております。包括地域の対象アイテムはいろいろ出ておりますが、まだバリアフリーとか歩行環境の整備というのはあまり表だって出ておりません。これはいつでも包括協定の中の議論アイテムとして取り上げる事が出来ますので、早速、王寺町とのまちづくり協定の議論で、県からも取り上げていきたいと思います。
他の地域におきましても、まちづくり包括協定の対象に鉄道駅というのが、石見、結崎駅にしろ田原本町にしろ随分あります。これは鉄道駅の中、周辺の整備が、奈良県ではまちづくりの中で置き去りにされていた、というのが今までの実態であったかと思います。
王寺町も先ほど申しましたように、他からは進んでいる面があると私は思っておりますけれども、立地がなかなか難しい大和川に囲まれた地域で、立地の厳しい所で、また乗降量の多いところで歩行環境の整備に、植田町長は随分頑張られたという意識は持っておりますが、他の地域では手も付けられていない、バリアフリー以前の歩行環境の整備というものに手が付けられていない、という事例もあります。
それはまちづくり包括協定の対象地区、またアイテムになってきていることは確かでございますので、今進んでいるところも遅れているところも包括協定の対象の中に、鉄道駅というのは随分アイテムとしてありますので、その中でバリアフリー、また歩行環境、また場合によっては景観ということも検討アイテムに意識して入れて、県からの提言を出来るかというふうに、今の議論の中で思った次第でございます。
早速、王寺駅周辺につきましては、包括協定の対象地区が概ね入っておりますので、また三郷町はまだ包括協定対象に入っておりませんが、対象が出てくれば、三郷町も包括協定したいと思いますと言っておられますので、出てきたら早速餌食にしてですね、このアイテムを検討しようということぐらいは出来ますので、検討すれば何かの形でモノが進むというふうに期待・希望するものでございます。
<清水再質問>
それぞれの町の事情があるとは思いますが、包括協定はそれぞれでやるものですので、行政界を超えた取り組みというのはなかなか難しいかというふうに思います。
歩行空間整備について、今後とも研究を重ねて頂きたいというふうに申し上げておきます。宜しくお願いを申し上げます。
4問目は、「ポイント制度を活用した長寿と健康の好循環制度の確立について」伺います。
現在、奈良県下の12市町村で「長寿健康ポイント制度」、「ボランティアポイント制度」「介護人材の確保や健康長寿を目指したポイント制度」など、外出を促し健康増進や認知予防を図る目的で制度化されています。
例えば、奈良市のポイント制度は、交通系のカードのICOCA、PiTaPa、C-CAなどを利用され、それぞれの活動内容に応じたポイントをカードに加算していき、外出機会の増加や市内協力店舗の商品購入などに活用されています。
また、総務省では、マイナンバーカードを活用して公共施設などの様々な利用者カードを一枚にするとともに、各自治体のボランティアポイントや健康ポイントなどをクラウド化することに併せ、クレジットカードなどのポイントやマイレージを地域経済応援ポイントとして全国各地に導入・合算し、様々な住民の公益的活動の支援と地域の消費拡大につなげることを目的とした事業のマイキープラットホームが昨年の9月末から運用開始され、このシステムを活用して地域経済の活性化を促進しようとしている県下市町村は、現在のところ王寺町など6市町村があります。
クレジット会社や航空会社などのポイントは、毎年、数千億円分のポイントが利用されず、現在では1兆円を超えるポイントが眠っていると推定されています。
人口比からすれば、奈良県内にも100億円分のお宝ポイントが眠っており、地域経済の原資として利用するために、早晩、県下の自治体の参加が増加すると思っております。
ところが、マイナンバーカードの普及がなかなか加速しない現状で、昨年8月末時点の交付枚数は約1230万枚。人口普及率は9.6%であり、今のペースだと2017年度末に人口普及率が10%に届くかどうかといわれています。
奈良県も一部の自治体を除いて全国平均並みの10.5%となっています。
マイナンバーカードの有用性と普及拡大などについては、改めて質問をしたいと考えています。
本年4月から、国民健康保険の財政運営の責任主体が市町村から都道府県に移り、市町村単位で行われてきた国民健康保険の運営が広域化され、より安定的な財政運営と効率的な事業運営を進めて国民健康保険制度の安定化を図ることとなりました。
問題を抱えつつも行政の効率化を図り、安定化を推進する行政機構改革の一つの手法であると私は考えます。
また、寿命100歳時代を迎える超高齢化社会において、現行の介護保険制度では1号被保険者が増えるばかりで各市町村の行政経営は、どんどんと厳しくなって行くものと思われ、いずれは、介護保険制度の再構築を検討せざるをえない時が必ず到来することから、ITの進化を先取りし、若いうちからボランティア活動などを通じて、将来の自分や家族のためのポイントを蓄積する制度として、県下で共通したプラットホームの構築が必要になってくると私は思っています。
そこで、健康寿命日本一を目指すひとつの方策として、各自治体で取り組まれている介護ボランティアポイント制度を県下に拡大・深化すべきと考えます。
知事のご所見を伺います。
<知事答弁概要>
介護ボランティアポイント制度は、社会参加活動を通じた介護予防に資する地域活動に対して、市町村が、介護保険制度における地域支援事業の交付金を財源として、現金や地元の物産品等と交換できるポイントを付与する仕組みです。
この制度の対象となるには介護ボランティアとして登録が必要で、市町村が実施する養成研修を受講すること等が条件とされています。市町村では、自らの地域に不足する介護サービスの状況等に応じて、必要な生活支援サービスを提供する人材の確保・活用を目的として取り組まれています。
県内では、天理市で平成27年から「はつらつメイト天理」として、葛城市では平成28年から「生活応援サポーター活動支援」として、介護ボランティアポイント制度を導入しています。室内清掃やゴミ出し等の活動実績に応じてポイントを付与し、年間5千円を上限に現金等を交付するという内容で、登録者数は現在、天理市で42人、葛城市で32人となっています。
こうした取組は、支え合い活動の動機付けや介護ボランティアの確保に効果が期待できると考えられます。
一方、この取組の財源である地域支援事業交付金は、市町村等の負担金や介護保険料で構成されるため、市町村においては、ポイント制度の運営経費や介護費の削減効果等を考慮し、自らの地域に応じた仕組みの検討・判断が必要です。
県としては、介護ボランティアポイント制度は、地域住民をはじめとする多様な主体による支え合いの仕組みを構築する一つの有力な方策と捉え、先行事例に関する情報やノウハウの共有、適用事例の拡大についてアイデアを深める等、研究・活動を進めてまいります。県内市町村の主体的な取組を促したり、また、その支援を県として何ができるかもう少し考えたいと思っています。
また、議員お述べの健康寿命、国保の県営化の関係で言えば、国民健康保険などは、保険料の支払を通じて支え合う制度です。また、こうしたボランティアポイント制度は、現物給付をボランティアとしていただく一方、現物給付を提供することによって支え合いに参加するという、人の支え合いを奨励するものであり、今後、どのような体系が少子・高齢化社会において効率的になるのかという観点からの研究が必要と感じたところです。
5問目は、「オープンデータの推進と活用について 」です。
奈良県情報システム課では、オープンデータの活用方法としてカタログサイトに、人口・くらし、観光・文化、経済・産業、健康・医療、教育、福祉・協働、道路・環境、安全・安心、財政の9部門が掲載されており、県下自治体でも奈良市、天理市、生駒市、葛城市、宇陀市の5市がオープンデータに対して同様の取り組みをされています。
オープンデータ化により、行政の透明性・信頼性の向上、国民参加・官民協働の推進、経済の活性化・行政の効率化が三位一体で進むことが期待されています。
今後、人口減少に伴って県内の多くの自治体の行政職員も減少せざるを得なく、情報公開の手間や行政事務の効率化と透明化を推進する必要に迫られてきます。
県下市町村に対するオープンデータ化の推進と活用について、知事のご所見を伺います。
<知事答弁概要>
県や市町村が持っておりますデータをオープンデータ化して地域の活性化、経済の活性化に繋げたらどうかという御所見だと伺います。
オープンデータ化という概念はIT化が進んだ社会では大変意義の深い考え方だと思います。
議員お述べのように住民や企業が営利目的を含めて自由に加工して使えることを明示して公開されたデータのことであり、民間での積極的な活用や地域での課題解決に向けた官民協働の促進や、とりわけ、地域の認識共有と言うことでの効果が期待されると思います。
対象となるデータで、私は一番基本的なのは統計だろうと思います。個人のデータを除去して匿名化して集合性のある、どういうことが社会で行われているのか、社会学の分野で統計はきわめて重要でございます。女性の活躍、健康度あるいはいろんな学校の教育の内容など、統計を基にいろんな社会学の研究が進んでおりますので、社会学の先生が使ったデータの分析またその成果をオープン化するのは極めてこのIT化社会またいろんな人に良い社会を作るのに参画していただく観点からは極めて重要な概念かというふうに承っております。
本県においても、昨年8月より、県ホームページにおいて、観光・文化、経済・産業など9部門53種の情報のオープンデータ化を行っているところであり、さらに、その拡充を図ってまいりたいと考えます。
一方、県内市町村では、5市において、オープンデータが公開されているところですが、他の市町村においても取組まれるよう、オープンデータの意義や公開のあり方について、昨年10月に市町村幹部職員を対象とした説明会を開催したほか、本年1月に県と市町村の職員を対象とした研修会を開催したところです。
統計のリテラシーを向上させる研究会を県が開催して、市町村と実行しているのも、その一環であろうと思います。
具体的なオープンデータの例として、国においては、「AED設置箇所一覧」や「指定緊急避難場所一覧」、「公衆無線LANアクセスポイント一覧」など13分野が推奨されています。これらの情報は、地域の方々にとってだけでなく、観光で訪れた方にとっても有用なことから、県内全市町村でオープンデータ化されることが望ましいと考えます。
そのため、具体的な事例や公開手続きに関する研修会を開催するとともに、これを足がかりに市町村が保有する経済活性化や観光振興に役立つ様々な情報のオープンデータ化が進められるよう、データ公開に必要なシステムの共同開発の検討も含め、県と市町村が勉強を進めたいと思います。
<清水再>
人口減少社会において、更なる行政の効率化が求められてきます。
積極的な取り組みをお願いしておきます。
最後に、「第3回奈良大立山まつりについて」伺います。
第3回奈良大立山まつりは、1億2千万円の予算で極寒の1月26日から3日間開催され、延べ参加者は24,452人と発表されました。
寒さのため低体温症となられた参加者の方がおられたことは、大きな反省点であろうと思います。
私共の会派は、第1回目の開催より「行政が主体となって実施する事業には、明確な便益計算が必要である!」と指摘をしております。
昨年、第2回「奈良大立山まつり」の経済波及効果について、南都経済研究所がトピックスを出され、「多方面から検証したところ、奈良県内の生産誘発効果及びその他の経済効果は3億12百万円と推計され、内訳については開催事業費による効果が78百万円、来場者の観光消費により1億14百万円、パブリシティの広告換算が1億20百万円」と記されています。
第2回目に対する計算では、投資経費に対してプラスの判定を出されましたが、広大な屋外会場で開催される「おまつり」であり、天候に大きく左右されることは間違いありません。
もしも、開催期間中に悪天候が続いた場合には、開催場所での消費増は到底望めるものではありません。
現行の奈良大立山まつりの開催費用は、ほとんどが税によるものであり、県が主催することの位置づけを考えれば、その他の公共事業と同じように、将来にわたる便益計算の確立が必要であると考えます。 今後の開催の意義と費用対効果について、改めて知事にお伺います。
<知事答弁概要>
「奈良大立山まつり」の効果については、経済的効果という面もありますが、私の考え方では、金額で判断される効果以外に目に見えない効果をどのように考えるのか、効果というものを幅広く捉えたいと思っています。経済的効果と非経済的効果、また、すぐに現れる効果と長期的な時間を経て現れる効果、毎年やってきて蓄積されてできあがる効果といったものがございます。効果には種類があるということ。奈良県が追求している効果は、地域のブランド化が大きな目標であります。ブランド化というのは、中々数字では表せないものでもありますので、ご理解をいただきたいと思っております。効果の検証については、全く大事なことであり、まったく賛成をいたします。
「大立山まつり」の効果について、直近のことを申し上げますと、今年度は、3日間に短縮し、昨年度より経費も1割以上減額して行いましたが、昨年度と同等程度の来場者数がありました。昨年度の開催における県内への経済波及効果として試算された1億9千200万円に相当する効果があったのではないかと思っています。これは、費用と効果の前年度比較、あるいは、その前との比較といった手法に過ぎないわけでございます。
「奈良大立山まつり」には、参加した伝統行事の継承、発展に寄与するという非経済的な効果もあります。参加された方々の意気がすごく上がっておりますし、そのような声が続々届いております。参加された地域のその後の効果もいろいろ出ているように感じております。
例えば、あったかもんグランプリについては、地域グルメの創造ということですが、大淀町では、出展して入賞したものを販売に結びつけるということをされています。大淀町ほかの1村において商品化されたと聞いています。
非経済的効果ですが、冬季の観光資源の開発という大きな目的がございます。1年を通じていろんなことをやっている奈良を創りたいというのがブランド化の効果の狙いでございます。
また、その場所でございます。冬のお祭りには、ハンディがあるということは、かねてからご指摘のとおりでございますが、この3月24日に平城宮跡歴史公園が開園し、特に「朱雀門ひろば」では、復原整備された朱雀大路や総合ガイダンス施設「平城宮跡いざない館」などなどが整備されております。来場者の利便性や安全性が冬におきましても、格段に高まるものと思っております。
来年度以降の「奈良大立山まつり」は、これらの新たな施設も最大限活用しながら、平城宮跡という舞台の前で行うという効果の上乗せも期待しながら、行っていきたいと思います。
<清水>
「奈良大立山」という名前にインパクトがありすぎて、県内のほかのお祭りがかすんでいるのではないでしょうか。河合町の砂かけ祭りや平群町の松永弾正の時代祭りなど、いろいろな祭りがあるので、それらも全部含めて、奈良県の祭りを全て束ねるようなコンセプトに見直してもらえないでしょうか。この祭りをやることで、市町村でも観光産業が発展して、地元に観光消費が増えるというような観点で考え直されないか、知事の所見をお伺いします。
<知事答弁概要>
やめろというのではなく、名前を変えて続けろというご意見だと、ある面ありがたく受け止めたいと思います。
「大立山」のネーミングは、各地域の祭りが集合したもの(として名付けたもの)ではなく、冬の祭りで、各地の祭り、ススキ提灯など夏の祭りにも呼びかけて来ていただいているという実情でございます。「そんなに県下の祭りがたくさん来るなら、名前を変えたらどうか、そして続けろ」というご意見かと思いますが、「大立山」の主になった「立山」は、由緒ある祭りなので、それがいいという地域もあると思います。
より広く包摂したネーミングについては、これだけたくさんの祭りがこれだけ集合していただき、ありがたいことでもあり、市町村と合同でやっている祭りにもなってきましたので、関係市町村とも相談して、検討課題とさせていただきたいと思います。
<清水>
前々から反対しているわけではない。きちんと事業効果を測定してほしいと申し上げているだけであるので、よろしくお願いしておきます。
以上で質問を終わります。