子宮頸がん予防ワクチンについて

2013年07月30日

平成25年7月30日(火)午後1時45分~王寺町保健センターで、平成25年4月1日より定期摂取となった子宮頸がん予防ワクチンについて実情を尋ねました。

全国で多くの副反応事例が報告され、6月14日に厚生労働省から、ワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛(いたみ)が子宮頸がん予防ワクチンの接種後に特異的に見られたことから、同副反応の発生頻度等がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種を積極的に勧奨すべきではないと勧告がされています。

☆王寺町での子宮頸がん予防ワクチンの接種者数

平成23年3月~平成25年3月の同ワクチン接種者は407名(延べ1140名)

平成25年4月~6月の接種者は36名

医療機関や接種者から副反応の報告事例「無」とのこと。

☆ 厚生労働省の通知内容は次のとおりです。

子宮頸がん予防ワクチンの接種を受ける皆さまへ (平成25年6月版)

現在、子宮頸がん予防ワクチンの接種を積極的にはお勧めしていません。
接種に当たっては、「有効性」と「リスク」を理解した上で受けてください。

子宮頸がん予防ワクチンの有効性とリスクについて、お知らせします。
ワクチンの接種は、その有効性と接種による副作用(専門的には「副反応」といいます)が起こるリスクを十分に理解した上で受けるようにしてください。

<子宮頸がんは、こんな病気>
●子宮頸がんは、乳がんに次いで、若い女性に2番目に多いがんです。
子宮頸がんは、女性の子宮の入り口部分(子宮頸部)にできる「がん」です。
若い女性(20~39歳)がかかる「がん」の中では乳がんに次いで多く、女性の100人に1人が生涯のいずれかの時点で、子宮頸がんにかかると言われています。年間9,000人近くの人が子宮頸がんにかかり、2,700人もの人が亡くなっています。
●子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因で起こるがんです。
ヒトパピローマウイルス(HPV)には、100種類以上のタイプ(型)があり、そのうち、子宮頸がんの発生に関わるタイプは「高リスク型HPV」とよばれています。主に性行為によって感染します。海外では、性活動を行う女性の50%以上が、生涯に一度は感染するといわれ、感染しても多くは自然に排出されます。
●子宮頸がんの約半分は、ワクチン接種によって予防できることが期待されています。
ワクチンには、ヒトパピローマウイルス(HPV)の成分が含まれているため、接種することで免疫を作ることができ、HPVの感染を防ぐことができます。
子宮頸がん予防ワクチンの接種は法律に基づいて実施されていますが、受けるかどうかは、接種することで得られるメリットとリスクを理解した上で、ご判断ください。

<子宮頸がん予防ワクチンの効果>
●子宮頸がん予防ワクチンは世界保健機関(WHO)が接種を推奨し、多くの先進国では公的接種とされています。
子宮頸がん予防ワクチンは、子宮頸がん全体の50~70%の原因とされる2種類(16型・18型)のヒトパピローマウイルス(HPV)に予防効果があります。
16型HPVと18型HPVの感染やがんになる過程の異常(異形成)を90%以上予防できたとの
報告があり、これに引き続いて起こる子宮頸がんの予防効果が期待されています。
※子宮頸がんは数年~数十年にわたって、持続的にHPVに感染した後に起こるとされています。
※子宮頸がん予防ワクチンは新しいワクチンのため、子宮頸がんそのものを予防する効果はまだ証明されていません。

<子宮頸がん予防ワクチンの接種についてのリスク>
●比較的軽度の副反応は、一定の頻度で起こることが知られています。
ワクチン接種後に見られる主な副反応としては、発熱や接種した部位の痛み・腫れ、注射の痛み・恐怖・興奮などをきっかけとした失神があります。

<ワクチンごとの主な副反応>※平成25年6月時点の添付文書に基づく。
①ワクチン:サーバリックス
(発生頻度)  (主な副反応)
50%以上   注射部の痛み・発赤・腫れ、疲労感
10~50%未満 痒み、腹痛、筋痛・関節痛、頭痛 など
1~10%未満???????じんま疹、めまい、発熱 など
1%未満    注射部の知覚異常、しびれ感、全身の脱力
頻度不明    手足の痛み、失神、リンパ節の炎症 など

②ワクチン:ガーダシル
(発生頻度)  (主な副反応)
50%以上   注射部の痛み
10~50%未満 注射部の腫れ、紅斑
1~10%未満  注射部の痒み・出血・不快感、頭痛、発熱
1%未満    注射部の硬結、手足の痛み、筋肉のこわばり、腹痛・下痢
頻度不明   疲労・倦怠感、失神、筋痛・関節痛、嘔吐 など

★★★まれに重い副反応もあります★★★
副反応については、接種との因果関係を問わず、報告を集め、定期的に専門家が分析・評価しています。現在、因果関係は不明ながら、持続的な痛みを訴える重篤な副反応が報告されており、その発生頻度等について調査中です。なお、これまでに報告のあったその他の重い副反応については、以下のとおりです。

①アナフィラキシー
(主な症状) 呼吸困難、じん麻疹などを症状とする重いアレルギー
(報告頻度) 約96万接種に1回
②ギラン・バレー症候群
(主な症状) 両手・足の力の入りにくさなどを症状とする末梢神経の病気
(報告頻度) 約430万接種に1回
③急性散在性脳脊髄炎(ADEM)
(主な症状) 頭痛、嘔吐、意識の低下をなどを症状とする脳などの神経の病気
(報告頻度) 約430万接種に1回
※上記は平成25年3月末時点で専門家による評価を経た数値です。
※これらの報告には、ワクチン接種と関係がないと思われる報告も含まれます。

<ワクチン接種後の注意>
●ワクチン接種後に体調の変化があった場合には、すぐに医師に相談してください。
注射針を刺した直後から、強い痛みやしびれなどが生じた場合は、すぐに申し出てください。
また、ワクチン接種後に、注射による痛みなどをきっかけとして失神することもありますので、接種後30分程度は、イスに座るなどして様子を見るようにしてください。
予防接種当日は、激しい運動や入浴は避け、接種部位を清潔に保ち、体調管理をしっかり行ってください。
●副反応により、医療機関での治療が必要になった場合には、お住まいの市区町村の予防接種担当課へご相談ください。
●副反応によって、医療機関での治療が必要になったり、生活に支障がでるような生涯が残るなどの健康被害が生じる場合には、法律に基づく救済が受けられます。
※救済を受けるには、健康被害が予防接種によって引き起こされたものか、別の要因によるものかを、専門家からなる国の審議会で審議し、設定される必要があります。

●ワクチン接種をした方も20歳になったら子宮頸がん検診を受けることが大切です。
子宮頸がん予防ワクチンは子宮頸がんの原因となる全てのヒトパピローマウイルス(HPV)に予防効果がある訳ではありません。ワクチン接種をした方も、20歳になったら必ず2年に1度の子宮頸がん検診を受けましょう。定期的に検診を受ければ、がんになる過程の異常(異形成)やごく早期のがんの段階で発見できることが多く、経過観察や負担の少ない治療で済むことも多いのです。

厚生労働省ホームページで、子宮頸がん予防ワクチンに関する情報をご案内しています。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/

 

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