江田結いの党代表が石原日本維新の会共同代表を表敬訪問
2014年04月12日
平成26年4月11日に、江田代表と小野幹事長が石原日本維新の会共同代表、平沼国会議員団団長と会われた時の内容について記者会見が行われましたので、同内容を掲載いたします。
2014年4月11日 幹事長政調会長会見
(小野幹事長)定例の記者会見を行う日ではありますが、今日は先ほどまで日本維新の会の国会議員団の本部に江田代表と共に訪問しまして、石原代表、平沼国会議員団団長とお会いしてきましたので、その話を中心にしていきたいと思います。
結いの党を結党した時に、各党ご挨拶に参りましたが、その時日本維新の会国会議員団団長の平沼さんと他の方にはご挨拶できたのですが、石原さんには都合があわなくてご挨拶していなかったという経過を江田さんの方から申し上げて、少し遅くなりましたが、ご挨拶表敬に参りましたという話をしました。
先方の2人からは、「何十項目の政策協議を大枠合意に達したと言っているが、あれは何のための作業なのか」と最初はそういう話もありましたが、党の合流とか合併とかそういう話を進める為には、それぞれの党の中において十分な議論をして、その上で両者の政策と理念が一致しなければならない。
そのためには、焦る必要はないんだということで、同席した私達を含めて四人とも同じ意見でしたので、結いの党は結いの党で、維新の会は維新の会の中で、しっかりと政策の議論、理念についての議論をこれからもすべきだということで一致しました。
石原さんの方から主に話をされたのは、憲法の話にしても集団的自衛権の話にしても、自分は戦争中に機銃掃射を受けたこともあり、東京裁判も実際傍聴に行ったこともあると。
その後の様々な政治の出来事についても、自分で見たり、自分で体験したものがああるんだと。
憲法の話や、戦争の話、或いは自衛権の話をするときにも、深みのある経験に基づいた議論ができる相手を必要としているんだと。
上っ面だけの議論をしている政治家が多いので、そのことが非常に残念だと思っていたということがあり、お話を伺うことの方が多かったです。
私どもの方からは、江田の方からも安全保障に関しても現実的な議論をしていきたいと。
上っ面な議論ではなくて、日本の防衛のために必要なものは何なのかということについて、しっかりとした議論をしていきたいということを言い、そういうことは必要だよねということで、一同その場にいた人間は、意見の一致をみました。
最後に石原さんの方から「また、おいでよ」ということでございまして、江田さんの方も「来ていいよという時には、すぐに飛んでまいりますから」ということで、平沼さんからも同じような話、これからも意見交換していこうということでございましたので、率直であり友好的な雰囲気で45分間でございましたが、会談は終わりました。
石原代表のところに、江田代表、そして私小野が表敬した件は以上の通りでございます。
こちらからの報告はこの程度で、ご質問があればお答えしたいと思います。
Q:平沼さんは会期末までそういった話はしないというような事を記者にされていたのですが、そういった話は。
A:(小野幹事長)今、国会開会中であり、衆議院参議院それぞれの会派として取り組みをしているところなので、合併だ合流だという話は会期中は結論出さずに行きたいということを仰っておられました。
ですから、そのことについて我々に同意を求めたということよりも、平沼さんなり石原さんのお考えとしてそういうことを考えているという説明がありました。
Q:そういった平沼さん達の意見表明に対して、皆さん方は同意されたのでしょうか。
A:(小野幹事長)先程申し上げたとおり、理念と政策が一致していることが、両党の間で合併や合流の話を進めるためには前提になるのであって、一つにはそれぞれの党において十分な議論がなされないといけないし、両党間においてもお互いに対する理解が深まらないといけないから、そういうことについては一日とか一週間とかそんな短い時間を焦る必要はないので、じっくりやるべきだということで、江田さんも石原さんも平沼さんも私も意見の一致をみました。
Q:先方は合併合流だっていうのは今国会会期中には結論を出すべきじゃないという話でしたが、必要性について向こうは。
A:(小野幹事長)そういう話をされたので、その話は承りましたと申し上げましたが、何故そういう言い方をするのかと言うと、すべてそれは日本維新の会の中の話なので、日本維新の会の中で、結いの党との連携の深め方、時間的な問題、タイミングの問題も含めてご議論いただきたいという事で申し上げました。
石原さんの方からも「党内の事情の事を話題にしちゃったね」と頭を掻いておられました。
Q:合併合流の手前にある統一会派の件については。
A:(小野幹事長)話題は出ませんでした。
江田さんの方から最初に「結党の時に各党ご挨拶に伺い、平沼団長にはご挨拶できたが、双方の都合で石原代表にお会いできなかったので、こちらの事務所に伺ってご挨拶に参りました。表敬でございます」ということを申し上げましたので、その点の主旨についてはご理解いただけたと思います。
Q:結いの党は現行の憲法を評価されていて、集団的自衛権については慎重だと思うのですが、その点について具体的なやりとりは。
A:(小野幹事長)石原先輩、平沼先輩といったら良いのでしょうか、政治経験も長いですし、様々な安全保障合意の問題についても、たくさんの見識を持っておられていろいろな話がでましたが、江田も私も安全保障・防衛について今必要とされているものは何なのかということについて、必要なことはきちんと必要な措置が取れるような国にならなければならないという、私達の考え方を申し上げました。
それをいわゆる憲法議論の中で集団的自衛権を位置づけるかということについてはまだ議論をしなければいけませんねということで、必要な措置が取れるような国にならなければならないということについては、あまり両者の間に意見の相違はなかったように思います。
Q:エネルギー政策についての話題はありましたか。
A:(小野幹事長)原発については、今日議論は出なかったと思います。
Q:憲法観を巡って、常々石原代表は結いの党は護憲政党だという認識を示されておりますが、今日のやりとりの中で、その認識を巡って何かありましたか。
A:(小野幹事長)最初に石原代表の話の中に、自分の今までの理解では、結いの党は護憲政党だと思ってきたという話がありました。
江田の方から、統治機構を中心に様々な憲法改正が必要だということは61項目の政策の中にもたくさんあるし、また憲法改正に関する96条についても憲法改正を可能にするような工夫が必要じゃないかということにも触れてますよと。
どこをもって護憲と言われているのか、一律に護憲政党と言われると非常に理解できないところがあるという話をしましたら、会話の後半では護憲政党という言い方はしなくなりましたけれどもね。
Q:江田さんからの説明に対して、石原代表からは。
A:(小野幹事長)そういう話を聞いて、「なるほど」という言葉を使ったわけではありませんが、会話の最初に石原さんから「いままで護憲政党だと思っていたよ」ということは言われましたが、江田代表から「政策の中に統治機構改革の中で憲法改正を必要とするものをいくつも挙げることができますよ」ということで、護憲政党という風に一律に言われることについて理解出来な部分があると申し上げましたら、後の会話の中では「護憲政党だ、護憲政党ではない」という話は出ませんでした。
全体として言わせていただければ、もっと気色ばんだ硬い感じになるかと思いましたが、一つは表敬だということを明確に申し上げ、こちらから敬意を表してご挨拶に参りましたという訪問の主旨を申し上げた事。
そして石原さん平沼さんからは、憲法とか集団的自衛権とか言葉としては話題になりましたが経験や見識に基づいた深い議論のできる政治家が必要なんだというお話があって、そのことについて江田も私も全くそのとおりだと思うと。
上っ面な議論をしているようじゃ駄目だということを話しましたので、政治に対するひたむきさについては一定のご理解をいただけたのではないかと思います。
そして何よりも、また会おうと、またおいでよと言っていただいたのは、非常に私どもにとってはありがたいことだと思っておりますので、個々の政策で意見が一致したとか何とかということよりも、もちろん政党間の関係としては橋下代表や松井幹事長とか浅田政調会長との両党間の連携協議もありますが、石原代表そして平沼団長ともこれから意見交換の場を設けていきたいと。
先方もどうぞと、ウエルカムということでしたので、前進を図ることができたと思っております。
Q:また会おうということでしたが、一方で会期中は合流とかそういう話にはならないということで一致されたということですが、今後合流に向けてどのように。
A:(小野幹事長)同じことを繰り返しますが、一致したわけではないです。
先方がそういうことを仰ったので、その話は承りましたと言ったのですが、ただ両党間のことについては、橋下代表や松井幹事長、浅田政調会長とかと党と党の間の正式の協議の場もあるわけですから、お二人のご認識は承りましたけれども、党の中のことについては、日本維新の会の中で十分に議論してくださいと。
今日の四人が「そうしようね」と合意したという意味ではないです。
Q:今後の合流に向けた具体的な進め方とか、そういうことは今日会談できなかったとしても、イメージというものはありますでしょうか。
A:(小野幹事長)まず一つは今日はそういう話は出ませんでした。
もう一つは、今申し上げたような状況ですから、私どもも更に議論を深めるところもあるかも知れませんが、主に日本維新の会の方で党内で政策についても議論をしっかりしていただく必要があると思うし、タイムスケジュールの面でも、どういう手順でやっていくかについて認識を共有するような作業をしていただきたいと思います。
連携を超えて合流だとかになれば当然両者の理解にギャップがあってはいけませんから、誤解や理解に齟齬が生じないように、双方で努力をすべきだと思うので、時間的な期限を切ってこの問題を考えるべきではないと思います。
Q:みんなの党の新代表に浅尾さんは正式に選出されましたが、みんなの党と結いの党は昨年以来、党対党で言えば断絶状態になっていると思いますが、今後統一地方選であるとか、その後の国政選挙を見据えてどういう風に関係を再構築していきたいとお考えですか。
A:(小野幹事長)浅尾さんが代表に選ばれたと言ってもよろしいんですか、ちょっと外に出てたので。
浅尾さんは、大変政策に関して優れた手腕を、みんなの党に私がいた時も、発揮しておられたので、そういう意味では評価しておりますが、やはり新代表ということになれば、きちんと渡辺代表の頃の曖昧なところ、あるいはもっと言葉を極めて言えば膿みたいなものを出しきっていただいて、組織のガバナンスを確立していただきたいと。
渡辺商店と言われてきたみんなの党から本当の意味でのみんなの党、どこから見ても透明できちんと組織としてガバナンスを保つような政党になって欲しいし、浅尾新代表にはリーダーシップを発揮していただくことを期待したいと思います。
同時にまた、渡辺代表の最後の時期、去年の参議院選挙後ですね、自民党の補完勢力になることを目指すような方向性を打ち出していた為に、野党の中でみんなの党の立場がなかったわけですね。
立ち位置が明確でなくなってしまっていた訳ですから、浅尾新代表・新執行部の元で、これからも自民党の補完勢力になることを目指すのか、それとも自民党に変わりうる政権担当能力を持った野党勢力の結集という方向にみんなの党が踏み出すのか、そこは明確にしていただかないと、個々の政策ではみんなの党と結いの党は今の時点で似ているところが多く同じ対応をとることが多いのですが、基本的なところにおいて自民党政権・安倍政権の補完勢力を目指すのか、それとも野党勢力の再結集、特に政権担当能力をもった野党勢力の結集にみんなの党が参画しようとしているのか、重要な役割を占めようとしているのか、そこのところを早くはっきりしていただくほうが私達として距離感というかお付き合いの仕方を考えやすいのではないかと思います。
(柿沢政調会長)ちょっといいですか、一点だけ。
それは維新の会も全く同じだと思うんです。
テレビを拝見しておりますと、石原代表は安部総理は大変頑張っておられるから協力したいというご発言をされていて、一方で党としては野党再編に向けて政策協議をしているという、そういう非常にどっちに向かっているのか分からない状況になっていると思うんです。
私は野党再編に維新の会は、党大会で運動方針を決めて、政策協議を走らせて、大筋合意にこぎつけて、その方向に進んでいくということで執行役員会で更に確認をして今日の会談に至っていると思うんです。
そこのところを本当に党として全体で共有できているのか、そして党を代表する石原代表が本当に共有できているのか、ここはやはり確認をさせていただきながら今後は進んで行かなければならないと思います。
国家観が違うから合流できないということを外向けに繰り返し繰り返しテレビ等で発言をされておられるので、本当に合流を目指して違いを埋めていく作業をしているのか、そうではなくて合流そのものを念頭にない状況でお話されているのか、ここは大きな違いがありますので、今後確認をしていかなければならないと思います。
(小野幹事長)それもただ今日の江田石原会談を通じて、これからも会って意見交換をしようという話になりましたので、いままでみたいにお考えになっていることが報道されている文字でしか伺えなかった状況とは違いますので、理解を深めていけるかなぁと。
そういう意味では前進があったと思っています。
(了)
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