代表質問
2018年06月25日
平成30年6月25日午後1時~、代表質問を行いました。
質問の概要は以下のとおりです。(長いですがご一読いただければ幸いです。)
6 月 25 日 18番 日本維新の会 清 水 勉(一括)
北葛城郡区選出の清水です。
質問の前に、6月18日午前8時前に発生いたしました「大阪北部地震」で被害にあわれた皆様にお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表します。
今回の大阪北部地震でお亡くなりになられた高齢の方の状況を見てみますと、お二人の高齢者の方は御自宅でタンスや本棚という家財の下敷きになりお亡くなりになりました。
昨年から地元自主防災会の地区別勉強会で、県から借用したDVD「ふせごう―家具の転倒防止対策」を鑑賞して、実演を交えながら何処で発生するか分からない地震に対して、減災対策の重要性を自治会員の方々と一緒に勉強をしていましたが、改めて高齢者世帯での減災対策推進の重要性を再認識した次第です。
そして、大阪北部地震の発生場所は、東西にのびる「有馬-高槻断層帯」と、南北にのびる「上町断層帯」や「生駒断層帯」の境目付近で発生したとみられておりますが、県内にも地震の発生確率の高い断層帯がありますので、一層の対策が必要と思われます。
また、最近、よく目にするニュースに、高齢者の運転ミスによる歩行者等を巻き込んだ交通死傷事故、高齢者ドライバーによる高速道路の逆走、高齢者が被害者となる手の込んだオレオレ詐欺など、今後ますます増える高齢者に向けた行政課題が山積し、また、小さな子供が犠牲になる悲しい事件の報道が繰り返し行われ、奈良県警のナポくんメールでは何度となく不審者情報などが伝えられてきます。
これらは、社会的な弱者に対する施策が十分でない表れなのかもしれません。
私達、政治に関わる者に課せられた責任は重くなるばかりと感じる毎日であります。
では、高齢者対策、広域連携、健康増進関連、IoT、高校再編計画について、6問を一括して質問をさせて頂きます。
<清水質問>
まず、1問目、ポストベッドタウン時代を見据えた高齢者施策について、知事に伺います。
昨年、内閣府から発表されました2017年版高齢者白書によりますと、総人口は2055年に1億人を割り込み9,744万人、その後もさらに減少を続け2065年には9,000万人を切ると推計され、そのうち3,400万人近くが65歳以上の高齢者となると推計されておりますので、本県でも、同様の人口構成となることが想定されます。
知事は2月議会や4月の定例会見で、大阪のベッドタウンとして発展してきた奈良県は、他県に比べ人口減少と高齢化が急速に進むという見通しを示された上で、奈良県の課題はポストベッドタウンであり、それと併せ、高齢者のケアと若者の働く場ということが、連動した一つの課題であるとの見解を示されました。
私の2月議会での質問では、社会が高齢者を支え合うシステムの一つとして、現行の介護ボランティアポイント制度の共通したプラットフォームの構築の必要性について質問をさせて頂き、知事からは「適用事例の拡大についてのアイデアを深める研究活動を進め、市町村の主体的な取組を進めるとともに、市町村への支援内容を考える。」との答弁を頂きました。
先に述べました通り、高齢化率は上昇するばかりで2065年には全人口の38.4%と推計されており、社会保障制度の中でも高齢者対策は一刻の猶予もならない状況となっています。
私の近所でも、高齢者のみの世帯、高齢者の一人暮らし世帯が目立ってきており、若い時から「自分の介護は自分で守る」ことを意識付ける施策の構築をしなければならないと考えます。
国保の広域化は、様々な障害を乗り越えて本年4月から県単位化へ移行となり、いずれは介護保険制度も1号被保険者の増加により広域化をせざるを得ない時代が来るかもしれません。
昨年3月に策定されました「奈良県行政経営改革推進プログラム」の県域マネジメントの章に、『人口減少社会が進み、地域の活力の維持・向上や効率的な行政運営がますます求められるなか、県と市町村が有する経営資源を県域全体として捉え、有効かつ効率的に活用する「奈良モデル」を推進します』、とされています。
そして、『県は市町村に対し、広域連携が可能な業務について提案するとともに、検討の場を提供するなど、創意工夫する市町村を積極的に下支えし、「奈良モデル」を持続可能で効率的な行政運営として深化させていきます。』とされ、地域医療構想の実現、医療費適正化及び国民健康保険の県単位化の一体的取組の分野においては、『関係者との合意形成を図りながら本県の実情を踏まえた「奈良県地域医療構想」を推進し、高度急性期から在宅医療までの効率的な医療提供体制の整備を図るとともに、地域包括ケアの構築に向け、県内に広めるべきモデルや具体的な仕組みづくりを進めます。』とされています。
京阪神地域のベッドタウンとして発展してきた大和平野を中心とする県北西部と、県土面積の大半を占める南部・東部の山間・過疎地域が存在する本県では、高齢化の進展や医療・介護に係るサービス等、地域の実情に大きな差があります。
今後、更に高齢化が進む中、ポストベッドタウン時代を見据えた高齢者対策として、地域完結型の医療・介護等の提供体制を構築すること、すなわち、地域包括ケアシステムの構築が重要であると考えます。
そこで、地域包括ケアの県内に広めるべきモデルや具体的な仕組みづくりの進捗状況と、今後の展望について伺います。
<知事答弁概要>
奈良県は、ここ3・40年、急激に人口増になりました。王寺もその一つです。ベッドタウンとして人口が増えたと言うことですが、そのようなベッドタウンは急速に人口が減少し高齢化が進むことが予想されます。ベッドタウンにおきましては若者の働く場が少ないのが通常ですので、若者がいなくなる一方、高齢者が年をとっていくのがベッドタウンの現状です。そのような中、高齢者への対応は最も重要な施策であろうと思っております。その高齢者の対策の中で地域包括ケアシステムと言うのが一つの目標パターンです。
地域包括ケアシステムは、住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、医療・介護・生活支援等のサービスが一体的・包摂的に提供される仕組みです。住民の方々の身近な行政を担っている市町村が主体となって構築されることが望ましいと考えられるところです。
しかしながら、市町村におきまして、医療に関しての権限があまりなく、医療と介護の連携を進めていくためのノウハウが不十分といった課題があります。
このため、医療についての責任をより大きく・多く受け持っている県が、積極的に地域包括ケアシステムの構築に参画し、医療・介護連携の仕組みづくりの具体的なモデルとなる事業を進めていくのが望ましいと考えています。
一例を申し上げますと、生駒郡と北葛城郡の7町におきまして、県の保健所がコーディネート役となり、西和医療センターや地区医師会も参画する協議会を立ち上げて検討を重ねてきております。昨年度は、入院している高齢者が円滑に在宅に移行できるよう、退院調整ルールの策定を行い、今年の2月から運用を始めました。
この大事な退院調整ルールの策定過程におきましては、病院関係者とケアマネジャーが顔を合わせて協議を重ねることで、相互理解による連携が進んでおります。
また、医療や介護等の社会資源が少ない南和圏域でございますが、そのような圏域におきましては、退院後の在宅における医療と介護の連携を個々の市町村単位で確保していくことは困難です。
このため、市町村の枠を越えた広域的な連携と広域的サービスの利用による、医療と介護の連携の推進に取り組んでおります。
県の吉野保健所が調整役となり、地域包括支援センターと協力して、圏域全体の医療と介護の情報マップを作成するとともに、退院調整ルールの策定に取り組むなど、南奈良総合医療センターを核として、圏域全体で医療・介護連携を進めるための仕組みづくりを進めております。
県ではこうしたモデルの取り組みを、県・市町村長サミット等において情報発信をするとともに、モデルを参考にそれぞれの地域に工夫を重ねて頂きますよう、担当職員向けの研修会や報告会等を開催して、他市町村へのいわゆる横展開を図り、県内全域での地域包括ケアシステムの構築と深化を推進していきたいと考えているところでございます。
<清水要望>
ポストベッドタウンを見据えた高齢者施策に関して、今後高齢者が人口の1/3を越えるということを、マイナスと捉えると良い施策は打てないと思います。
共に支え合う人口が増えていくというプラスに捉えることが必要です。
こうした考えから、2月には介護ボランティアポイント制度について、統一的なスキームを整備するべきではないかという質問をいたしました。
今後も、マイナス思考ではない、プラス思考の高齢者施策を進めて頂きますよう要望しておきます。
<清水質問2>
2問目は、市町村域を越えた広域連携による市町村負担調整の仕組みづくりについて、知事に伺います。
奈良県は、平成の大合併が進まなかった県の一つでもあり、地域住民の経済圏域や生活行動圏域を統合できませんでした。そのことによる課題の解決策として、荒井知事は、「奈良モデル」による垂直補完や水平補完により、県も当事者の一人となった地域連携策を推進されています。また知事は、常々広域での負担と受益の公平性や合理的な行政課題の解決に触れられています。
そこで、駅ターミナルを抱える市町村や行政界付近に鉄道駅を有する市町村の、駅を中心とした生活圏で必要な市町村施設の整備やまちづくりについても、負担と受益の公平性の確保が必要ではないかと考え、質問をさせていただきます。
人や車が集中するターミナル周辺の施設についての、負担と受益の分かりやすい事例として、王寺町の現状を一つ紹介させていただきます。
王寺町においては、JR王寺駅、近鉄王寺駅、近鉄新王寺駅周辺には王寺駅北広場の地下に、駅北自転車駐車場(自転車590台、単車760台、合計1,350台収容可能)、王寺駅南広場の西自転車駐車場(自転車400台、単車1,000台、合計1,400台収容可能)、王寺駅南自転車駐車場(自転車500台、単車600台、合計1,100台収容可能)、そしてJR畠田駅前自転車駐車場(自転車・単車500台収容可能)を整備しています。人口約24,000人の町で、4,350台の町営の自転車・単車の収容施設があり、その維持管理をしています。
少しデータが古いですが、各施設の平成25年~27年3か年の月極利用者における町外利用者の利用率は、王寺駅北の平均は実に約91%、王寺駅南の平均は約56%、王寺駅西の平均は約46%、畠田駅の平均割合は約78%となっております。
行政界付近に鉄道駅を抱える自治体は、このように町が施設を整備しても、その利用者の大半が町外の方、というような状況が生じます。先の事例の自転車駐輪場は収益施設なので、維持管理費などはまかなえるでしょうが、収益性のない施設は問題が生じています。
このような場合に、ターミナルを抱える町だけが、費用を捻出して施設整備を行わなければならないのでしょうか。ターミナルの生活圏の町全体で、施設規模の調整を行うとともに、費用についても受益を踏まえて調整することはできないのかと思います。
また、西和地域のような小さな町が多い地域では、現在、各町にある文化施設のような施設も、利用実態を踏まえ、更新の際に施設の集約化や合理化を図ることで、その施設の効率化、最適化が図られると思います。施設によっては、複数の町で1つの施設とした方が良い場合もあると思います。その場合に、各町が受益に応じて施設整備費を負担する枠組みが必要ではないかと思っています。
そこで知事に伺います。ターミナルを抱える市町村や行政界付近に鉄道駅を有する市町村が、駅を中心とした生活圏で必要な市町村施設の整備等を進めるにあたり、受益と負担の公平性確保の観点から、生活圏にある市町村全体で、受益に応じた負担を求める仕組みづくりはできないでしょうか。
<知事答弁概要>
鉄道駅を核とした施設の整備に対する近隣市町村の負担ということが可能かどうかというご主旨であると受けとめました。
まず、鉄道駅がありますと、生活上便利な施設、例えば、買い物、ホテル、病院、保育所などができてまいります。奈良県内の鉄道駅は、大阪への通勤のためだけに整備されてきた経緯がございます。駅周辺、また駅の構内も不便なところが多いわけでございます。奈良県のまちづくり協定の主役は、駅周辺の整備でございます。駅周辺の整備に対しては、県が協力をするよう努めているところでございます。
鉄道駅をどのようにするかということで、市町村の協働がご質問の一つの柱でございます。人口減少社会では、市町村が単独でフルセットの施策を遂行できる能力を備えるのは難しいことですので、県やそれぞれの市町村が持っている人的資源や公共施設などを有効に活用する視点が重要です。
ご質問にあるようなターミナル駅周辺の施設など、生活圏全体で利用される施設については、このような対象だと思います。関係市町村が適切な受益と負担のあり方を検討することが必要であり、このような、公の施設の便益が周辺市町村にも及ぶ現象は、スピルオーバーと言われるものでありますが、その負担のあり方というものは、県も勉強して参りたいと思っております。
県では、これまで、奈良モデルとして、市町村を下支えして参りました。「ごみ処理の広域化」や「南和地域における医療提供体制の再構築」などの取組でございます。その際、関係市町村の負担と受益のあり方について、検討も深めて参りました。
ご質問の鉄道駅を中心とした生活圏での必要な市町村施設の負担と受益は、新しい観点でございますが、また、スピルオーバーの負担のあり方については、定まった方式がある場合とない場合がございますが、王寺駅のケースを捉えましても、今後の周辺に良い効果を及ぼす公共施設の負担と受益のあり方、また、施設の整備のあり方については勉強させていただきたいと存じます。
<清水再質問>
今後王寺駅周辺を整備するにあたって、ターミナルを抱える王寺町や周辺町から、受益と負担についての積極的な提案があった場合、県としてどのように支援できるか、所見を伺います。
<知事再答弁概要>
駅の周辺の施設、効果が周辺に及ぶような施設についての県の支援の内容について述べさせていただきます。県の今までの奈良モデルによる支援のやり方は、当該市町村と協定を結んで、向かう方向が同じであれば支援しましょう、ハードは1/4まで、ソフトは1/2と決めております。もうひとつの対象は、市町村同士が広域で組まれて水平補完をされる場合に、県は垂直補完のつもりで支えますよ、とこの二つの種類があるように思います。
駅前の施設はどのようになるか、例えば、広域的な利便があるから払え、というだけではなかなか進まないかもしれません。それも勉強の対象になりますが、例えば、共同施設を造られる場合ですとか、共同で施設を駅前に造りませんか、というように話が発展すれば、当然対象になりますし、その駅の所在する公共団体だけで造られても、その利用のあり方、例えば、その町の方だけは税金の負担があるから利用料が低く、周辺は高くするというようなやり方もあるかもしれません。そのようなことも含めて勉強するとともに、最初に申し上げました、県の奈良モデル支援の対象になる可能性もありますので、そのことも勉強していきたいと思います。
<清水質問3>
3問目は、自転車利用環境の整備促進について、知事に伺います。
ご承知のとおり、「奈良県自転車利用促進計画」が平成22年12月に策定されています。
本計画によりますと、「この計画に基づき、自転車利用ネットワークの構築や自転車利用環境の創出等により、広域的な周遊観光を促進することで、観光振興や地域活性化を図るとともに、県民の健康増進や環境にやさしいまちづくりの実現に向けた取組を進め、計画の取組が持続性の高いものとなるよう、地域との協働による施策展開を基本とするとともに、継続的なモニタリングにより、利用者のニーズや社会状況の変化等を踏まえながら、PDCAサイクルにより適宜見直しを行う。」とされています。
計画策定後7年が経過し、代表的な例では「京奈和自転車道」や自転車周遊ルートの整備等を推進されていますが、今後の自転車利用環境の整備促進に向け、どのように取り組まれるのか伺います。
<知事答弁概要>
自転車の利用促進に向けた取組は、国内外から来訪される方々に、奈良県の隅々まで楽しんでいただける移動手段を提供するという観光振興の観点だけでなく、県民の健康増進、また自動車から自転車へうつる事による環境負荷の低減、災害時における交通機能の維持などの役割が期待される重要な対象施策だと思います。
奈良県では、自転車の利用促進に向けた取組といたしまして、平成22年に既に「奈良県自転車利用促進計画」を策定し、ハード施策とソフト施策を実行してきております。
ハード施策では、県内に31ルート・延長600kmの広域的な自転車利用ネットワークを設定して、併せて案内誘導や注意喚起のサイン、3箇所のサイクルステーションを設置いたしました。
利用し易くするためのソフト施策では、「サイクリストに優しい宿」を55箇所、「自転車の休憩所」を151箇所認定いたしましたり、サイクリングマップを製作し情報発信の充実を図るなど、民間事業者等との協働により取り組んでまいりました。
さらに平成27年からは、東京オリンピック・パラリンピックに向けまして、「奈良県自転車利用促進計画」の取り組みを踏まえまして、京奈和自転車道を基軸とし、県内はもちろん、県外、国外からも、できる限り多くの自転車愛好家の方々に来ていただき、奈良の魅力を堪能していただけるよう、自転車ネットワークの更なる充実に取り組んでいるところでいます。
京奈和自転車道は京都嵐山から和歌山港に至る壮大な自転車道で、最近ではさらに滋賀県の琵琶湖を一周の「ビワイチ」とも連携するような方策も検討しているところでございます。
今後も、機動性と適度な広域性をもつ自転車ならではの新しい発見を楽しんでいただき、また健康増進にもつなげていただけるよう、自転車利用環境づくりに積極的に引き続き取り組んでまいりたいと思っております。
<清水要望>
国において、平成30年6月8日に「自転車活用推進計画」が閣議決定されましたが、今後も環境負荷をおさえる為には様々な施策が必要であると思いますので、是非とも市町村と力をあわせて頂きたいと思います。
<清水質問4>
次に、健康寿命日本一を目指す奈良県における県内行政機関の受動喫煙防止対策について、知事に伺います。
先般、喫煙のため勤務時間中に繰り返し職場を離れたとして、大阪府が健康医療部の男性職員を職務専念義務違反で訓告処分にし、その職員は依願退職をされました。これは、府が庁舎敷地内を全面禁煙にしているため、この方は勤務時間中に職場を勝手に抜けだし、近くの民間ビル内の喫煙室に行って、たばこを吸っていたというものです。
健康増進法が平成14年に制定され、16年が経過し、最近では、同法第25条の主旨が社会に浸透したことから、不特定多数の方々が往来する場所や建物では禁煙が当たり前となってきました。
現行の同法第25条は、「施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。」という努力規定に留まっていましたが、今国会に提出されました同法の改正案では、①「望まない受動喫煙」をなくす、②「受動喫煙による健康影響が大きい子ども、患者等に特に配慮」する、③「施設の類型・場所ごとに対策を実施」するの3点が改正の主旨で、改正後の健康増進法の規定に違反した者について、所要の罰則規定を設けることとなっており、受動喫煙防止に向け、規制が強化されることとなっております。
2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、2021年にはワールド・マスターズ・ゲームズが関西各地で開催されます。
そして、6月13日にはBIE総会でノーベル賞受賞者の山中伸弥京都大学教授が、大阪万国博覧会のメインテーマであります「いのち輝く未来社会のデザイン」のプレゼンテーションをされ、2025年国際博覧会が大阪で開催される可能性が高まってきたと感じています。
このようなことから、受動喫煙防止に対して、今まで以上に積極的な対策が望まれます。
そこで、受動喫煙防止に向けた奈良県の県庁舎等での取組や、県内市町村の庁舎等での取組の状況について伺います。
<知事答弁概要>
最近の健康増進法の改正の内容について紹介されましたが、外国では、受動喫煙防止を含む節煙・禁煙の対策がはるかに進んでいると承知しています。オリンピック・パラリンピックを控え、国際標準に合わせていかねばならないという雰囲気があることが法改正の 背景にあるように思います。
「健康寿命日本一」を目標として掲げる本県において、禁煙・節煙は重要な課題であると考えています。喫煙は生活習慣病の危険因子であり、禁煙支援や受動喫煙の防止は重要な施策と考えています。
受動喫煙防止の取組としては、受動喫煙の健康への影響を県民にわかりやすく周知するとともに、受動喫煙にあう機会を少なくすることが柱となります。健康増進法改正の趣旨である望まない受動喫煙を防止することを心掛けたいと思います。具体的には、受動喫煙が及ぼす健康への影響を県民だより等により啓発しています。また、県庁の本庁舎・分庁舎をはじめ出先機関の建物内を禁煙としているところです。
本庁舎・分庁舎においては、建物の外に設けている喫煙所でしか喫煙できないことに なっています。この屋外喫煙所については、受動喫煙対策を強化するため喫煙所の密閉性 を高めるとともに、換気装置等を設置することを検討しています。喫煙者が吸いやすく、 他人に迷惑をかけない環境で吸えるようにするという分煙の考え方を実行しています。
また、喫煙後はエレベーターの利用を避け階段を利用するよう促すチラシを貼り出しました。時々、エレベーターの中でたばこの臭いがしたためであり、エレベーターに乗る前に吸っていたことが分かる状態でありました。そこで喫煙マナーの遵守を呼びかけるとともに、受動喫煙がもたらす健康への影響について注意喚起を行っているところです。
市町村の本庁舎については、全ての市町村で建物内を禁煙とされていると聞いています。なかでも、香芝市、平群町、王寺町の1市2町では、敷地内を全て禁煙とされていると聞いています。また、広陵町では、町職員について、敷地内を全て禁煙とされていると聞いています。
議員お述べの、望まない受動喫煙をなくすための取組は大変重要であると考えていますので、引き続き力を入れていきたいと考えています。
<清水再質問>
健康増進法の改正が行われると、公布後1年6カ月を超えない範囲内において政令で定める日までに、行政機関等については、敷地内は原則禁煙となることから、今後県庁舎及び出先機関、市町村について、更なる対応が必要になると考えますが、どのような方針で対応しようとしているのですか。
<知事再答弁>
受動喫煙防止対策については、外国において厳しくなっており、それを受けて、国際的な対応をしていく必要があるという国の動きがあると理解しています。
奈良県の喫煙率は全国一低く、そのことはいいことであるが、たばこを吸う人の立場も尊重しなければいけないこともあるので、ちゃんと分煙を行い、望まない受動喫煙を防止する必要があります。
まず県の庁舎から始め、市町村へ取組を促していきたいところです。
ポイ捨て禁止の問題も含め、地域全体で分煙体制が整うことが望ましいと考えているますので、そういったことについても研究したいと思います。
<清水質問5>
5問目は、IoTによる観光消費促進アプリケーションの実証と展開について、産業・雇用振興部長に伺います。
このところ本も様変わりし、スマホでも読めるようになり、家電製品もスマホでコントロールできるような時代になり、電車内ではスマホを操作していない人のほうが少ないぐらいです。
そして、奈良を訪れられる外国人観光客の方々もスマホから観光情報をとられています。
このような現状において、産業振興総合センターが窓口となり、IoTによる観光消費促進アプリケーションの実証・展開として、県では平成28年度に奈良県公式まち巡りアプリ「ならたん」を開発されました。
この事業では、平成29年1月15日から2月28日までの44日間と平成29年8月4日から2月28日までの208日間、合計で252日間において、奈良市内等を中心に店舗等観光スポットの紹介やGPSスタンプラリー実施等の社会実証実験が行われました。
内容は、スマホGPSデータの移動軸と時間軸を消費者側のデータとし、登録店舗情報に対してどのように反応するのかというものです。
この社会実証実験の結果については、現在検証中と思われますが、実証結果の概要と、今後の活用について伺います。
<産業・雇用振興部長答弁>
議員お述べのとおり、本県において、IoT等の情報技術を活用して、観光客の行動情報の収集と店舗情報等の提供が行えるアプリ「ならたん」を開発し、平成28年度は奈良市内で、29年度は県内全域にエリアを拡大して実証実験を行いました。
このアプリの特徴的な機能としては、スマートフォンのGPSにより利用者の位置情報を分刻みで収集できることです。
さらに利用者の年齢や居住地、職業などの属性情報も取得できることから、どのような方が、いつ、どの場所に、どれくらい滞在したかという詳細なデータを得ることが可能です。
実証結果の概要としましては、県内542店舗の協力を得て、ダウンロードされた4,918人を対象に、アプリの運用を行い、利用者の行動データを取得しました。
このデータを分析することで、これまで定量的に検証できなかった、人の分布や動きなどを見やすい形で地図上に視覚化したり、イベント開催時と通常時を比較したりすることができます。これらを活用することにより、効果的なマーケティングを行うことが可能となりました。
今後、市町村などの県内の様々な地域において同様の取組を検討される場合には、今回の実証を通して得た技術、ノウハウの提供をはじめ、マーケティング等に活用して頂くために実証データの提供を検討するなど、アプリ「ならたん」の2年間の成果を普及展開していきたいと考えております。
<清水再質問>
今回の事業費用としてかけられたのが約3,000万円ですが、モニタの数がそれほど多くはありませんでした。費用をかけて作ったものだから、それぞれの商店街、連合商店街など、具体的に地域活性化のために、そのソフトを利用したいとなった場合に、県としてどのような形で提供できるのか、お伺いしたいと思います。
<産業・雇用振興部長再答弁>
いままでこのような形で実証実験を行いましたが、ノウハウ、技術について、地域の方からご相談がありましたら、適切に相談に乗らせていただきたいと思います。また、個別のお店等からもご意見がありましたら、お話をさせていだきたいと思います。
<清水要望>
メンテナンスには年間300万円くらいの費用が必要と聞いていますので、例えば、地元の方が使いたいとしても、小さいエリアで300万円を負担して下さいとはなりません。今後とも研究していただいて、地元で利用できれば、観光消費につながると私は期待しております。是非ともよろしくお願いしたいと思います。
<清水質問6>
最後に、県立高等学校再編に伴う教育財産の活用等について、教育長に伺います。
今議会に提出されました県立高等学校適正化実施計画(案)の「魅力と活力のあるこれからの高校づくり」のための教育環境の整備の項に記載されています「耐震整備の早期完了とそのための現存校舎の有効活用」において、耐震化の早期完了のため、改築が必要な奈良高等学校を現平城高等学校跡地に移転するとされていますが、現地での耐震化ではなく、なぜ移転が必要なのか、その主たる理由を伺います。
また、前回の高等学校再編において生じた廃校地は、現状、どのようになっているのでしょうか。また、その活用についてはどのように行おうと考えているのでしょうか。
<教育長答弁>
県立高等学校の適正化計画(案)では、施設設備の整備について、現存校舎を活用しながら早期の耐震化を進めることとしています。
同計画(案)による学校再編の結果、現平城高校の校地が、新たに活用できることになるので、奈良高校を移転することにより、県立高校の耐震化を一刻も早く完了させたいと考えています。
奈良高校を改築する場合、現在の校地の制限から、工事には、少なくとも40~43ヶ月の期間が必要となり、今年度基本設計に着手した場合、来年度実施設計を行い、2020年度に改築工事に着手、工事完了は2023年度となる見込みであり、新校舎での運営は2024年度になります。
これに対し、平城高校跡地に移転する場合、2021年度末をもって平城高校の校舎使用が終わるため、2022年度から移転先で運営することが可能となります。
改築の場合、現在の校地内で仮設校舎での学校運営が必要となり、運営上の負担も大きく、少なからず生徒の学習環境への影響も生じると考えられます。
これに対し、移転により対応する場合は、移転作業はあるものの、改築工事中の仮設校舎での運営の必要が無く、学校運営上の制限は少なくてすむと考えており、また、耐震化への対応も2年早く終えることができます。
これらのことから、現地で改築するよりも平城高校跡地に移転することにより、県立高校全体の耐震化を早期に完了させることができ、学校運営面でのメリットもあると考えています。
前回の高等学校再編において、新設校や特別支援学校として利用しなかった廃校跡地は7校分あり、3校分は、総合庁舎等として利用しています。
残りの4校のうち旧奈良工業高校は、敷地の一部で環境基準を超過する有害物質が検出されたことをうけ、現在、建物の解体工事の手続きを行っており、来年度には建物の解体を終えて、引き続き有害物質の除去作業を実施します。
そのほか、サッカー専用グラウンドとして運動場の活用や、産業集積地事業用地としての活用検討、災害時の避難所や資材置き場としての一時利用、運動場のスポーツ利用への一般開放等で活用しております。
今後、廃校跡地の活用については、広く県民の利便性の向上及び県政発展に資すべきとの考えから、知事部局の方針を確認の上、関係機関とも調整しながら進めてまいりたいとおもいます。
<清水再質問1>
若年人口は今後も減少すると見込まれるが、どう対応していくのですか。
<教育長再答弁1>
人口が減少することを踏まえ、今回の適正化計画の中で、高等学校教育の充実をはかるために、これからの学校づくりを打ち出しました。学習指導要領が10年ごとに変わり、今後も新たな課題が生じてくる可能性があるので、今後、10年ごとに高校教育を見直していく必要があると考えています。
<清水再質問2>
奈良高校について、現校地での建て替えをしない理由として長い期間が必要になるからとの答えですが、逆に言うと期間をかければ現校地での建て替えは可能なのでしょうか。物理的にできないわけではないのでしょうか。
<教育長再答弁2>
もしかしたら他にも超えなければならないハードルがあるかもしれませんが、運動場に仮設校舎を建てて生徒を移しながら実施するなどすれば、物理的に可能であるとは思います。しかし、耐震化等を早期に完了させたいと思います。
<清水再質問3>
奈良市北部にはわかっているだけで4つの断層帯があります。大阪北部地震もあったので耐震を急ぐ必要があるのはわかります。前回の再編の廃校地が10年以上放置されている現状で、奈良高校の跡地利用はどのように考えているのでしょうか。
<教育長再答弁3>
奈良高校は耐震性が無いため建物を解体撤去する必要があります。建物があって、全体としてどのように活用するかは、特別支援学校への転用、グランドの一部開放など経験はありますが、更地で全体をどのように活用するのかといったことは教育委員会だけで考え得る範囲を超えていると思うので、県民にとってどうするのが良いのか、活用方法を今後検討していく必要があると考えております。
<清水要望等>
知事部局には行政経営・ファシリティマネジメント課があるので、普通財産として、早く知事部局に返還することも一つの方法と考えます。使い方を早く決めて頂きたいと思います。
平城高校の保護者からメールをいただきましたので、メールの一部を紹介します。
(内容紹介:
・つい先日まで、娘が平城高校1年として楽しく過ごさせていただいていました。
・三カ月前の合格発表では、一緒に嬉し涙を流し、三カ月後に、こんな悲しい涙をながすとは思ってもみなかったです。
・文化祭、体育祭、部活存続にも影響する。
・学力が低下し、進学にも影響する。
・楽しい筈の三年間を過ごせる訳もない。
・すでに子供は、今はやる気も失せています。
・三月受験追い込みシーズンに、校名を伏せて、パブリックコメントをされた。 こんなやり方で、どれだけの意見が募れるのでしょうか?
・学校の先生さえご存知でなかった。
・子供達が必死に勉強していた最中に、理解できないです。)
という内容でした。
今回の適正化実施計画について、もう少し慎重な取組をする必要があったという思いがあります。 検討をいただきたいと思います。
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