生駒市環境シンポジウム
2012年02月05日
平成24年2月5日(日)午後1時30分~ 生駒市中央公民館(サンホール)で開催されました『生駒市環境シンポジウム』に行ってきました。
山下 真生駒市長から、・・・・・『生駒市は環境No.1自治体を目指す』という目標を立て、様々な分野での取り組みを行っている。昨年はゴミ半減を目指してのシンポジウム、一昨年は地球温暖化について考えるシンポジウムを開催し、今回の環境シンポジウムで5回目となるとのこと。 3.11東日本大震災による福島第1原子力発電所のメルトダウンから、今の日本にとっては、エネルギー政策が最も重要な課題のひとつであるが、山下市長自身、原発についての認識は、危険なのか安全なのか真剣に考えたことも無く、コストが安く地球温暖化の切り札であるとしか思っていなかったが、昨年3.11により冷水を浴びせられた思いであり、今回、エネルギー政策の第一人者である【飯田哲也】先生から講演を頂き、再生可能エネルギーの普及を目指して、地方で出来ることを共に勉強していきたい。・・・・・との挨拶がありました。
来賓挨拶の後、黙々とボランティア活動をされている「大石さん」、竹林の再生活動をされている「にしき会」のみなさん、企業としてシュレッダー紙の再生などに取り組まれている「㈱生駒市衛生社」の三組の皆さんが環境行動賞を受けられました。
環境エネルギー政策研究所長:飯田哲也先生の基調講演「未来のエネルギー社会つくり」では、
・ 昨年の東日本大震災が大きなターニングポイントなっており、原点からエネルギー政策について考え直さなくてはならない。
・ 東日本と西日本では電気の融通か1%しか出来ないことは、非常に封建的であり江戸時代の関所のようで、3.11の前は、原子力や電力の独占体制について、一般人が考える事が出来ないようにされていたことは、第二次大戦中の言論統制のようである。
・ 日本国内での放射能汚染・・・原子爆弾の投下、東海村での事故、3.11の事故、海外では、スリーマイル島での事故、チェルノブイリ事故、そして3.11事故、原因は異なるが、海外の先進諸国は、スリーマイル島事故の教訓から、原子力政策を自然エネルギーへの転換を図った国も多い。
・ 23.3.11東日本大震災当日の22:36には、福島第一原発がメルトダウンを起こしている可能性について、首相官邸へのFAXが官邸ホームページアップされていた。しかし、住民避難を積極的に行わなかったことや、SPEEDIのデータを公表して避難させなかったことなど、最悪事態に備える心構えが出来ていなかった。アメリカ政府は80km圏内からの退避を母国民に呼びかけたが、政府は3kmの退避~10km圏内への退避など迷走したこと。
・ 原発が稼動しなくとも、ピーク電力の不足は、政策次第でエネルギー不足は生じないので、早く再生可能エネルギーへの転換を行うべきである。 10年前のドイツは今の日本と同じく原子力発電を推進していたが、倫理的に認められるものでないとして、大きな転換を行ったことの事例紹介。
・ 太陽光発電や風力発電の単価はどんどん下がっている。原子力発電所の建設単価は1基当たり3500億円といわれていたが、事故時の補償を考慮すると1兆5000億円にもなることから、原子力から脱しているのが世界の常識。 東京電力の福島第1原子力発電所の保険では補償ができるはずが無い。 また、原子力のごみは地層処分しか出来なく、ほぼ永遠に管理しなくてはならず、不可能であることは原子力に携わるものは知っている。 しかも、日本は地震国であり同じ事故が起きる可能性はあると思うのが普通。
・ 自民党、民主党の案では2050年で原発ゼロへとの案だが・・・天然ガス、化石燃料も限りがあるし、価格は今後も高騰する。
・ 再生可能エネルギーのうち、太陽光発電の単価は既に安くなっており、小規模分散型のエネルギーは産業革命となり、風力、太陽光とも増加しており、既に中国でも2006年より取組まれ、このままでは、日本はエネルギー後進国となるかもしれない。
・ 経済を立て直すヒントがここにあり、日本の企業は再生可能エネルギー分野で大きく遅れているが、ドイツの事例やデンマークの事例を学べば、自然エネルギーは30%のシェアとするのは可能であり、地域活性化にも供与できるが、「地域オーナーシップ制度」がキーワードである。
環境No.1を目指される生駒市でも是非とも研究を・・・で締めくくられました。
飯田先生の講演を聞いて、エネルギー問題は、国に任しておけばよい! という時代ではなく、個々人が大きく関われる問題でもあり、地域社会からの変革が必要・・・地域主権もキーワードのひとつとなることを再認識しました。
井の中の蛙であっては、成長なし!・・・国、地方自治体、特に今の我が町・・・
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