6月定例会 一般質問

2012年06月07日

平成24年6月4日(月)午前9時30分~6月定例会が開催されました。 私の一般質問(一問)は3番目に行いました。(午前11時10分から約30分間)

質問と回答要旨の全文は次のとおりです。

一般質問 「行財政改革の経過と評価の公表について」

少子高齢化が進む現在において、健全な行政運営を行うための「行財政改革」は全ての地方自治体が抱える不断の課題であります。

王寺町では、行財政改革懇談会の提言・助言を得て、「新・王寺町行財政改革大綱」を策定され、平成18年度より5年間において65項目の具体的な事務事業に対して改革の推進や研究をされてきました。

平成22年度末の目標期間を過ぎて1年が経過しましたが、各項目の経過と評価内容の公表が行われておりません。

本来であれば、期限が到来する平成22年度内において、実施事務事業の評価・検証をして、平成22年度末までに見直された行財政改革の内容を改めて懇談会に諮ったうえ、再度の助言・提言を受けて公表し、更なる改革に向けて次のステップに進むべきではないかと私は考えます。

ベンチマークとしての平成22年度末を過ぎて1年が経過しておりますので、保井町長の考えを尋ねました。

答弁要旨①

私の就任のはるか以前の平成17年から18年に策定された「新王寺町行財政改革大綱」につきましては、マニュフェストで公約いたしましたように、福祉・医療・教育など全般にわたり検証し、高齢者や学童保育に関する住民負担について大幅な見直しをおこないました。 さらに、私自身、時代に合った組織の見直しをして機構改革を行い行政コストの削減を図りました。 今後、全国一豊かで文化の薫り高い都市の実現に向け、住民の皆様に負担増を強いることのないように引き続き鋭意取り組んでまいるところでございます。

再質問①
保井町長のマニュフェストで、高齢者福祉、学童保育、医療制度の問題に対する取り組みに対しては、実施してきたとの答弁であったと思う。私が尋ねているのは、町長就任に当たって、当然、事務の引き継ぎをされており、それらの中身の検証をされていることは当然である。 マニュフェストによるご自身の政策により見直しをされたとのことだが、手続き上の問題もあると思う。それぞれの計画を見直したことも検証し、公表することが大事だと思っている。町長は選挙で論議されたことを実行するにあたって、懇談会に改めて図るべきではなかったのかと考えている。 先ほども答弁されたが、「住民皆様に負担増を強いることなく、むしろ軽減する方向で行財政全般をマニュフェストのとおり見直します。」また、マニュフェストの結びでは、「ガラス張りの行政を推進する新しい風を王寺町に呼び込む。」このように書かれている。

平成18年12月6日の厚生環境常任委員会で、行財政改革大綱65項目の説明を受けている。

65項目は以下のとおり。(一部を読み上げ)

1. 予算編成時における経常経費の10%削減(毎年37,100千円)

2. 公共施設使用料、公民館学級、教室等受講料の受益者負担の研究

3. 町有地有効活用化事業

4.前納報奨金の廃止

5.町立幼稚園保育料の見直し・通園バスの有料化

6. 生活習慣病予防検診費の一部自己負担

7. 学童保育の一部実費負担

8. 特別会計の健全化「下水道使用料の見直し」

9. 特別会計の見直し「国保税の見直し」

10.特別会計の健全化「上・下水道事業の統合」

11.広報紙・窓口用封筒への有料広告の掲載

12.町有バス利用に伴う一部受益者負担

13.事務事業の簡素化・迅速化

14.一部事務組合分担金の見直し(監査機能強化)

15.公共工事のコスト縮減「王寺町公共工事コスト縮減に関する行動計画」

16.行政評価システムの研究

17.財政状況バランスシートの作成

18.公用車管理の効率化

19.証明書発行の簡素化(ワンストップサービス)と自動交付機の稼働時間拡大の研究

20.地域交流センターにおける戸籍関係証明書発行の研究

21.地域交流センターにおける証明書発行時間延長の研究

22.利用しやすい公共施設

23.人口の定住化を図るための施策の研究

24.まちづくり条例の制定

25.自主防災組織の設立推進

26.災害用備蓄倉庫の整備研究

27.ボランティアセンターの設立

28.役場職員の定員適正化計画の策定

29.退職者補充採用の抑制

30.任期付採用・臨時職員等多様な採用形態の活用

31.職員早期退職制度の推進

32.組織機構の見直し

33.各職員手当の見直し

34.職員駐車場の有料化

35.特別職給与等の見直し

36.職員勤務形態にフレックスタイム制度の導入

37.パソコンの効率的な配備

38.情報ネットワークの整備推進

39.職員被服貸与規則の改正

40.敬老事業の見直し「敬老会招待者対象年齢の段階的引き上げ」

41.敬老事業の見直し「敬老年金の見直し」

42.敬老事業の見直し「老人無料入浴券交付対象年齢の段階的引き上げ」

43.敬老事業の見直し「やわらぎ手帳交付対象年齢の段階的引き上げ」

44.保育所運営の見直し

45.社会福祉協議会活性化の研究

46.高齢者家屋整備助成事業の廃止

47.生活保護家庭への町単独による扶助の廃止(水道基本料、し尿の汲み取り)

48.福祉医療費助成事業の見直し

49.幼稚園就園奨励費の見直し

50.水田農業構造改革対策助成事業の廃止

51.各種行事(講演会・イベント等)の見直し

52.各種補助団体補助金の見直し及び自主運営の推進

53.シルバー人材センターの社団法人化の研究(経営自立)

54.指定管理者制度の研究

55.図書館業務の外部委託

56.学校給食業務の外部委託化

57.清掃事業(収集業務)の外部委託化の推進

58.町有バス(大型、マイクロバス、通園バス)管理運営の外部委託化の研究

59.上水道施設管理業務包括的民間委託化の実施

60.町営駐車場の管理運営の見直し

61.町営駐輪場の管理運営の見直し

62.公園の管理運営の見直し

63.公共施設各種保守点検委託の見直し

64.公共施設管理運営の見直し

65.(財)王寺町施設管理公社の見直し

この65項目について、平成22年度を過ぎても評価内容を議会に報告しないのは何故か?を質問している。また、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第27条の規定により、教育委員会点検評価報告書がホームページに掲載されているが、広報紙への掲載は行われていない。全項目を広報紙に掲載するのは困難であるが、内容をまとめて掲載することは出来るはずである。町長の考えているガラス張りの行政における、公表に対する基準はどうなっているのか?

もう1点、平成22年3月16日に総務省より発表された「地方公共団体における行政評価の取組状況」では、都道府県・市区町村において932団体(51%)が取組み、公表を行っている。 王寺町は、行政評価を行うつもりがあるのか? あるのなら、何時から行政評価を導入するのか?

答弁要旨①(総務部長答弁)

平成17年から18年に行財政改革大綱の65項目が定められた。

町長は、マニュフェストを中心とした選挙公約を中心に町政を執り行っている。

就任時にその65項目すべての確認を行われ見直され、この行財政改革大綱によらず、新たに取り組まれた結果、すでに完了しているものもある。 なかには中止、改正したものもあるが、これらについては、全面的な見直しを行ったものであり、その都度、実施に際しては議会を通じ住民個々にもお知らせをしている状態である。 今後も中身を充分に検討し行財政改革に取り組む考えである。

公表については、順次必要なものにたいして住民に対してわかりやすく広報を行うように考えている。

また、行政評価についてはかなりの労力が必要であるので、時期については明言ができないが、逐次必要なことから取り組でいるので、出来るところから議会にも報告を行う。

再質問②

王寺町新総合計画(2009年)88ページに行財政改革の記載がある。 一部を読み上げると「平成18年度より・・・・・」「既存事業の見直しや公正な受益者負担・・・・・新しい公共空間の形成をめざし住民と行政の共同化体制の構築を図らなければならない。」とある。 また、結びには行財政改革を実現させるには、「住民皆さんとの共同によって進めていかなければならない。」と記載されている。

個々個別に議会にも報告するとのことであるが、議会に報告する際もこの65項目の大綱の内容に基づいた説明を行われれば非常に解りやすいのではないか?

個別事案毎に議員が研鑽すべきかとも考えるが、手続き上に置いても決められた計画を見直して、新たな計画を策定したのであれば、行財政懇談会に図って再度の答申を頂き実施することが、手続きとしても正しいと考える。

PDCAサイクル、役所でも民間でも同じであるが、これを実行されていたとしても、評価内容を公表しなければ、修正内容や予算がどのように変わったのか、住民の皆さんには見えない。

王寺町基本構想に基づいて、総合計画が作られているのはご存じのとおりで、第3章第2節の地方分権に対応した地域経営推進のまちで、行財政改革の位置づけがされている。

正確に評価するには、それぞれの担当部署で行った内容を住民・議会に公表すべきであり、予算の計上を行う際には骨となる基本計画に沿った予算が組まれるわけであり、予算の公表を行っているので大綱の進捗を説明しないというのはどうかと考える。 成果の把握について説明を行うアカウンタビリティーが求められる。

行財政改革大綱65項目にはすべてベンチマークとしての目標設定が細かくされており、目標の達成度を評価公表することがマナージメントの基本と考え、現代社会では最終のチェック内容まで公表すべきでる。 行政評価の中身については研究中、資産については今年度に予算計上を行って進めるとのことであるが、ほかの自治体では3年から4年の期間を定めて、毎年度ごとに公表されている団体もある。

今後の見通しを含めて再度答弁を頂きたい。 また、公表の基準は何か?

答弁要旨③(総務部長答弁)

住民皆様に負担を頂く部分について見直しを行い、その部分については、今の財政力の範囲で住民に満足いただけるように取り組んでいる。 以前の懇談会は町への答申を持って終了しており、個別の見直しについてはその都度、報告もし審議いただき進めていると認識している。 今後も住民サービスにつながる部分はしっかりと取り組む所存である。

また、行政評価については必要な部分にあっては実施しており、24年度でも予算化しているので方向性を含めて研究中である。

再質問(まとめ)

答弁から察すると、新たに行財政改革大綱なるものの作成は必要ないとの考えかと判断する。

各項目について、見直しを行い予算の配分を行っているのであり、議会も承知しているとの考えであると理解する。 一度作られた大綱65項目についての成果を含め整理をしていただきたい。

大きな目標であったと思うので、修正、見直し、廃止などがあると思うが、一度整理をしていただき次のステップに向けた検討をされたい。

行政は住民の幸せのために行動するのであり、当然ながら目標があるはず。 経常的な目標と政策的な目標があると思うが、それを形にするのが、総合計画や個別の大綱であると思うので、その中身をきちんと評価して、反省すべきは反省することは当然である。 特に政策によって定めたものは、住民の皆さんに内容を公表すべきで、手続き論としても、評価公表することが大切であり、王寺町の目標がどこにあるのかを示し、地方がいかに自立するかを求められている時代にあって、公表することの大切さを考えられたい。

以上で質問を終わる。

<感想>

今回の各議員からの一般質問でも、今までと同様に最初に町長が答弁書(骨子は担当部署で作られたのであろう?)を読み上げ、再質問にはそれぞれの担当部長が答える。 ・・・・・ 質問通告は町長主体に行っており、町長が答えるべきである。 ・・・・・ しかし、我々議員の理解としては、担当部長が答弁しても執行機関を代表しての回答と理解しているので、町長の政策と異なる答弁があっても、内容に間違いがあっても、それは、町長に代わって回答をしたものと見なしている。

行政評価については、何も新しいものではなく平成13年に総務省から考え方の基本となる政府機関に対する法律が作られ、その後多くの自治体がこの法律に基づいて取り組みを行い、事務事業や政策評価に要した人件費を含むコストの算出を行って、評価⇒公表しており予算編成の大きな指標となっている。 内容的に大きな労力を必要とするものではなく、説明責任をきちんと果たす考えを持つのであればただちに実行すべきであり、それをTopが指示できないようであれば・・・なんと考えればよいのか?!

また、同僚議員の質問に対して、事実とは相当に異なる担当部長の答弁があったが、内容の訂正をされることなく終わっているので、その答弁内容も町長の認識となると思っている。

一般質問は、住民を代表する議会議員からの政策提案であると思わず、執行機関に逆らっているとでも思っているのであれば本当に残念!

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